全12曲からなるこの作品は、グラナドスの作品の中でも最も有名だろう。アルベニスがアンダルシアなど南部の作風が多いのに対して、グラナドスは北部の舞曲から作られた曲が多い。中間部に歌を持つA-B-Aの形式が多い点でも、アルベニスラローチャによると、作者が自ら書いた副題は第4番、7番のみで、他は後に出版社が書いたものと言う。
●第10曲「Danza Triste」 原調:G dur 演奏時間:0:03:44
ダンツァ・トリステ=悲しき舞曲、というタイトルは後に出版社によって付けられたものなので、出自はわからない。しかし「悲しき」と付けられてしまうと、明るく軽妙にも聞こえる舞曲も一転して、悲しみを紛らすため、すべてを忘れて妄信的に踊っている踊り子の姿も浮かんでくるから不思議である。明るく響く調性が、かえって悲しみを強調してくれる。2/4と3/4が交互に出てくる cantabile の部分は、tempo rubato になっていて、4人の気持ちを一つにしなければならない大きな見せ場になるだろう。大いに悲しみを表現してほしい。
●第11曲「Zambra」 原調:g molll 演奏時間:0:06:45
アンダルシア地方に伝わる舞曲で、おもにフラメンコ舞踊で多く用いられるリズム書かれている。
piacere(自由に)の指示通り、かなり自由にルバートに演奏される曲のため、アンサンブルの場合呼吸をそろえるのが大変な曲の一つだろう。フラメンコ舞踊の中でも、タランテラ(ヨーロッパ音楽でのタランテラとは別物)のリズム設定に近く、フレーズの最後に付加されているフェルマータを伴う1小節の揺らぎが曲者だろう。Largamente に入ってからも、ゆったり自由に流れる主題の合間にリフレインの様に挿入される1小節の第一主題で a tempo になるため、じっくり呼吸の練習が必要だろう。
●第12曲「Arabesca」 原調:a moll 演奏時間:0:05:09
装飾を伴う伴奏がとても特徴的な曲である。序盤のBによる伴奏は、装飾がついて吹きにくい部分もあるかと思うが、軽いスタッカートで演奏し、リズムが乱れないように、また、pを維持したまま音が立たないように気を付けたい。特に2拍目の高音部では強くなりやすいので注意が必要だ。[F]の Molto Andante に入ると、歌はたっぷりと Espressivo で歌うべきだが、続くB→Tへの伴奏はa tempo 的に奏する方が効果的だ。特に3拍目裏の歌へつなぐ音はフェルマータをかけるべきだろう。1小節ごとに tempo が揺らぐので、アンサンブル力が発揮される部分だろう。
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