群馬県立前橋東高校の委嘱で2005年3月に作曲しました。「和風な曲を」と言う依頼でしたので「桜」をイメージして作曲しました。
最初は桜の美しさや花の散る様子を表現しようと思っていたのですが、先人達の残した俳句などに出会い共感し、桜を眺める人々の内面を表せないかと思うようになりました。
芭蕉の俳句に「さまざまのこと思い出す桜かな」とあるように桜には人が自らの生を振り返らせ、以前はあって、今は無くなったものや人を思い出させるタイムカプセルのような不思議な作用があるようです。2004年の10月に起きた中越地震は多くのものや人を失い、そのあとの大雪を体験した最初の桜は辛い思い出を作るかもしれませんが、そういう年だからこそ、毎年かならず花開く桜の姿が人々の生きる力を呼び起こしてくれるのでないでしょうか。
曲は直接的には中越地震にふれたものではありませんが前述した思いは曲中に入っています。途中テンポが速く激しい部分もありますが、ゆったりした前半の提示部が後半で再現された時に昔の事を思い出す感覚を感じていただければ良いなと思い作曲しました。
(福島弘和)
東京音楽大学器楽科卒業、同大学研究科修了。オーボエを浜道晁、作曲を有馬礼子の各氏に師事する。
現在、オーケストラ、吹奏楽を中心に作曲活動をする。1998年「稲穂の波」、2000年「道祖神の詩」が全日本吹奏楽連盟の課題曲として採用。2019年には同連盟からの委嘱課題曲として行進曲「春」を作曲。1999年に朝日作曲賞(一般社団法人全日本吹奏楽連盟)、2007,’12.’13.’15.’19年に下谷奨励賞(公益社団法人日本吹奏楽指導者協会)、2010年に日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作・編曲部門)の各賞を受賞。2001年国民文化祭や、2008年全国高等学校総合文化祭の創作音楽を担当。
21世紀の吹奏楽“響宴”会員。尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。
主な作品:交響曲ト調、シンフォニエッタ、同第2番「祈りの鐘」、同第3番「響きの森」、ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶、
百年祭、協奏曲、語りと音楽の作品、など多数
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