ベリオはポルカやマズルカ、ワルツなど19世紀から20世紀にかけての典型的なサロンミュージックを残していて、オーストリアの王女やスウェーデンの女王に捧げています。マリア・イサベラはその中の一曲です。平成6年度アンサンブルコンテストで世田谷学園の為にクラリネット七重奏としてアレンジしました。この八重奏バージョンは平成27年度のコンテスト用に編曲しなおしたものです。
●演奏のアドバイス
序奏部の前半はコラールで始まります。8小節で起承転結を形成していますが、EbClはメロディーのキャラクターの変化に対応して音量、アゴーギグを工夫しましょう。(8小節目の2ndに音がないのは、当時とても音程が合わなかったからです・・・)
Aからは一転遊園地状態になります。ジグソーパズルみたいなパートもありますが、しっかりかみ合わせましょう。Bからワルツが始まりますが、テンポをどういう風に組み立てていくか、考えるのも楽しいです。ここではひとつのアイデアとしてご紹介します。Bはワルツのイントロです。最初はかなりゆっくりからaccel.してCの前でひとつ完結させましょう。Cはゆったり始まりDでは一般的なワルツテンポに持っていってください。EからGの前までは速いワルツですが、Eの入りを前のめりにしても面白いです。Gの前はpoco rit.しても良いですし、逆にaccel.で完結させることもできますね。Iからは3rdとバスのメロディーが埋もれないよう音量に気をつけましょう。Jから少しテンポアップで軽快に、ダイナミクスの変化も楽しんでください。Lから4小節おきの変化を工夫できます。Nの4小節前からダイナミクスの変化に合わせてrit.。Nはゆっくり始めてワルツテンポ。メロディーのユニゾンを合わせてメリーゴーランドの気分で。Qの1小節前から速いワルツ。Sで最初のワルツに戻り、WからXはaccel.。Yから最後まで更にaccel.して一気に行きましょう。もちろん最後の音はためてから入ってもOKだと思います。
楽しくて皆に好かれる曲です。アンコンだけでなくコンサートのプログラムとして是非演奏してみてください。
この作品には「7重奏」「4重奏」「8重奏」の3版がございます。版違いによる返品交換は承りかねますので、お間違いのないようにお申込ください。
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