夥しい仏教の教典の中で、ブッダ自身が説いた言葉はほんの一部であり、ブッダが話していたパーリ語で残されている。
この言葉をもとにして作品を書いた。
しかし宗教曲を書いたのではない。
およそどんな宗教でも、すべての人間も、真に切望することは同じで、普遍的である。
そのはずなのだが、世の中に戦争は絶えない。さまざまな国や地域に不穏な動きがある。
生きとし生けるものすべて幸せでありますように。
そして次代によりよい世界がおとずれますように。
さて、曲はバリトンの「生きとし生けるものすべて幸せでありますように」の祈りから始まる。
間もなくソプラノが、怒りをあらわにする。バリトンは、「そのように怨んでいたら怨みは止まない」と諭す。緩やかな音楽となり「怨まないことで怨みは止む」と歌う。「これが永遠の真理」と唱えたところでソプラノがこれに同調する。
穏やかな音楽でソプラノが「生きとし生けるものすべて、怯えているものも、強がっているものも」と歌い出すと、バリトンが「見えるものも見えないものも」と引き継ぐ。「すべて幸せでありますように」と二重唱になる。ユニゾンで「良きかな」と三回唱和して消え入るように全曲の終止となる。
(伊藤康英)
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