「Morphing」(モーフィング)は、ある形から別の形へ自然に変形させていくコンピュータ・グラフィック用語としてよく使われる語です。音楽作品にしばしば使われる「Metamorphose」(メタモルフォーゼ)の類義語と呼べますが(「Morph」という同じ語源を有していますね)、ing形から読み取れるように、音楽が流れているうちに自然と変容していく様を強調したくこの語を選びました。「Portrait」(ポートレイト)は肖像という意味ですので、「変化していく肖像」のような意味合いになります。
作曲に於いては、井上幸子氏が息吹を吹き込むバスクラリネット1本を目前にした時に、この楽器が自らのキャパシティを縦横無尽に駆け巡るイメージのままに、パッセージの奥行き(立体性)と速度感(動的エネルギー)の連続的な変化を表現しようと最初の無窮動的な音楽を描き始めました。音楽、楽器、奏者の生命エネルギーのダイナミズムが、多軸的なベクトルで時空を駆け巡る中で起きる細胞分裂が新たな音楽的アイデアへと変容していき、元ある音楽の形(肖像)が発展的にモーフィングしていきます。一方で、肖像が変形していこうとも最初に湧き上がった音楽像はそのアイデンティティを保つように、モティーフとして全編に渡りボルテージを司るように描きました。
大阪音楽大学音楽学部作曲学科作曲専攻出身。
アジア作曲家連盟「アジア音楽祭」、 済州国際管楽祭(韓国) 、国際現代音楽協会「World Music Days」(2009/スウェーデン, 2014/ポーランド)、高雄春天藝術節(台湾)等、東アジアや欧米を中心に作品を発表。 2015年8月には、済州国際管楽祭20周年記念委嘱作品を機に、韓国国営放送KBSの密着取材を受け、ドキュメンタリー特集が放送された。
第3回ACL-Korea青年作曲賞優秀賞、 第15回大邱国際現代音楽祭最優秀賞、日本クラリネット協会クラリネット作品コンクール第3位、関西現代音楽交流協会作曲賞、第7回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位(2015年度全日本吹奏楽コンクール課題曲V『暁闇の宴』)、等を受賞。
2008年12月、亀井純子文化基金(現・神戸文化支援基金)の助成により、朗読音楽作品個展『Sarang』を開催(神戸女学院小ホール)、同名のソロアルバムを制作。2015年9月には京都芸術センターの委託・主催により、ファゴット奏者の中川日出鷹氏とのコラボ個展『Double Respiration』を開催。? 様々な編成の作曲作品を発表する一方で、南海電鉄CMやKBS京都テレビドラマ等、映画やテレビ等の劇伴音楽も制作。その他に、指揮・音楽指導、クラリネット・リコーダー・巴烏(Bawu, 雲南の横笛)等の演奏、芸術国際交流等でも活動。関西現代音楽交流協会、日本管打・吹奏楽学会各会員。
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