曲名は、18世紀にフランスで起こったとされる舞曲の名称です。エレガントな舞曲風の音楽として構想したこと、そして4組のカップルが四角になって踊るため「4」を意味するquadriという接頭辞が付けられているその名称が、各部分が4度跳躍の動機によって始まるこの作品にふさわしいと考えましたが、音楽の様式的な面においては特に深い関係はありません。
もともとパワーを誇示したり、華やかな演奏効果を狙ったりはしていないため、少人数での演奏にも適した作品です。しかしフレキシブル・アンサンブルのためのこの編曲では、5つのパートと打楽器で演奏可能とするため、本来7や9の和音を用いている部分では和音の組立てをオリジナルと変更したところもあります。また、響きの色彩を創ること、さらにその色彩を変化させていくことが表現の重要なポイントであり、そのためにはまずその色彩を、変化を感じ取ること、そしてその変化を各パート間の音量的/音色的バランスよって表すことが音楽的な課題となるでしょう。人数に余裕があるグループの場合、複数のパートを兼務する奏者をつくり、その役割の移動によってバランスや色彩の変化を演出しても面白いと思います。 (後藤 洋)
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