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フランスの作曲家、クロード・ドビュッシー(1862‐1918)は、それまでの西洋音楽の世界ではあまり用いられることのなかった教会旋法の導入(伝統的な和声や対位法において違反進行とされていた)や音程の並進行、全音音階などの使用により、印象派あるいは象徴派と呼ばれる独自の音楽世界を打ち立てました。西洋音楽史におけるひとつの転換点ともなった作曲家です。
「ダンス」は、ドビュッシー独自の音楽世界がまださほど色濃くは表出されていない初期のピアノ作品で、1890年に作曲された当初は「スティリー風タランテラ」と題されていました。「タランテラ」とは6/8(または3/8)拍子による急速な舞曲のことで、毒蜘蛛のタラントゥーラに噛まれたときに、この踊りで踊ることで毒を抜くために踊り続けると治る、という伝説から生じたともいわれています。この曲もその由来に違わず、一貫した急速なテンポで進んでいく一方で、6/8拍子をときに3/4拍子のように聞かせるリズム上の工夫が見られます。演奏にあたっては、基本的に6/8拍子の拍子感を保ちつつも、シンコペーションの面白さを感じられるよう心掛けて演奏してください。
Part 7 (& 8) のパートは、1本または2本で演奏することができます。推奨する編成の組み合わせは、CD「フレキシブル・アンサンブル&バンド曲集 4」(BOCD-7386)に収録の編成「Fl./Cl./Cl./S.Sax./A.Sax./T.Sax./B.Sax」の七重奏、または上記の編成のPart 1をE♭Cl.にしたもの、あるいは「E♭Cl./Cl./Cl./Cl./Cl./ A.Cl./B.Cl.」によるクラリネット7重奏です。パート4に上級生など十分な響きの得られる奏者を配置するとバランスが取りやすくなるでしょう。
このスコアは、青梅市立第三中学校吹奏楽部の委嘱により2004年に編曲した作品を、ブレーン株式会社の委嘱により2014年に木管フレキシブル・アンサンブル用に再編曲したものです。
(黒川圭一)
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