アルゼンチンに帰国してしばらく活動した後、タンゴに限界を感じパリでナディア・ブーランジェに作曲を学びますが、タンゴこそピアソラの原点と指摘されタンゴの革命に目覚めます。「タンゴの破壊者」などと酷評されながらもエレキギターやシンセサイザーを取
り入れたりして、生涯自分のタンゴを追及し続けました。
1968 年に書かれた「ブエノスアイレスのマリア」というタンゴ・オペリータ(ピアソラ自身による名称、ウィーンのオペレッタやマドリッドのサルスエラを意識した小オペラという意味)の中の一曲。
● 演奏上のアドバイス
2nd Cl. から始まり四声のフーガが終わるまでに8人が出揃います。アクセントは大切にしたいですが、テンポのキープがとても難しい箇所です。統一感を最重要課題とし、きちんと噛み合わせながらも遅くならないようにしましょう。
DからのTutti は3つのグループに分かれていますが、特に中音域のグループは力むことなく、でもしっかり響かせてください。
Gからの哀愁を帯びたメロディーはバセット(アルトも可)の見せ所です。たっぷり泣かせてください。
IからTempo I になりますが、タンギングとアクセントの組み合わせの時、アクセントが遅れがちになりやすいので注意しましょう。
最後の4小節はaccel. ぎみに畳み掛けるようにするとよいでしょう。
参考音源は、オブロークラリネットアンサンブルの為にアレンジした曲ですので「オブローの魔法使いの弟子」(佼成出版社KOCD-2514)を是非参考にしてみてください。
ピアソラの魅力の一つはフーガだと思います。この曲はその中でも最も充実したフーガを備えています。クラリネットアンサンブルのタイトな響きはピアソラにぴったりです。楽しんで素敵な演奏をしてください。( かとうまさゆき)
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