「シャコンヌ」は、偉大な音楽家ヨハン・セバスチャン・バッハが作曲した「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の中の一曲です。全体は3つのソナタと3つのパルティータによって構成されており、大変壮大な楽曲の中の「パルティータ第2番ニ短調 BWV1004」の終曲として作曲されました。バッハの作品の中でも名曲として広く知られているこの作品は、これまで様々な音楽家の手により、様々な編成によって演奏され続けてきました。
2018年、「シャコンヌ」の名演を聴き感銘を受けたトロンボニストの 川武典氏から、トロンボーンとピアノで演奏したいと編曲のご依頼をいただきました。編曲にあたっては、ブラームスが左手のために編曲した“ブラームス版”をベースにしつつ、元来はヴァイオリンのみのために書かれた音楽をトロンボーンとピアノのために、原曲に忠実に、かつその魅力を最大限に表現できるよう心がけました。(2018年フォスターミュージックより「トロンボーンソロとピアノのための『シャコンヌ』」出版)
その後、オーボエ奏者の方々との交流を経て、その音色と楽器の特性がこの楽曲の魅力を大いに表現できるのではないかと思い始め、次第にオーボエで演奏されることを夢見るようになりました。ある日、トロンボーンの自作品コンサートにご来場くださったオーボエ奏者の三輪あかね氏に、「シャコンヌ」のオーボエ版編曲にあたり試演にご協力いただけないかとお話をもちかけました。嬉しいことに即座に前向きなお返事をいただき、オーボエ版「シャコンヌ」を制作する運びとなりました。制作の過程では、三輪あかね氏にはたびたび試演をお願いし、楽譜へのアーティキュレーションの表記など出版にあたってのアドバイスも多々いただきました。「シャコンヌ」の魅力を気づかせてくれた 川武典氏と、三輪あかね氏のご協力に対して、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
今回のオーボエ版出版により、このバッハの名曲「シャコンヌ」が広く多くの方々に親しまれていくことを心から望んでおります。15分にも及ぶ大曲であり、演奏にあたっては大変な体力と表現力、そして同時に強い精神力も必要な楽曲ですが、本曲のもつ独特の世界観をぜひご体感ください。
(2024年5月 高嶋圭子)
オーボエ版初演
2023年6月24日 歌とオーボエとピアノのコンサート
於:日暮里サニーホール コンサートサロン
オーボエ:三輪あかね/ピアノ:高嶋圭子
〈演奏にあたって〉
演奏時間を短縮したい場合は、40小節~47小節、および100小節~119小節を省略すると約11分程度の演奏に縮めることができます。
※吉川武典氏の「吉」の字は本来、土+口の表記となります。また、高嶋圭子氏の「高」の字は、はしご高となります。システム上表示ができないため代用しております。
香川県高松市生まれ。広島市出身。
4歳からピアノを始め、中学高校時代では部活動で合唱に熱中。高校二年より和声学・作曲理論を学び始め1982年東京藝術大学音楽学部作曲科へ。卒業後の1987年、パリ・トロンボーン四重奏団初来日の際にアンコールピースとして「夕やけこやけ」「わらべうた」を提供して以来、トロンボーンに関わる作品が多い。
トロンボーン四重奏のための「パスピエ」「メモリーズ」「スクエアダンス」「古都三景」「出逢いは、はじまり」「ふるさとのうた」「四季の詩」「ハナミズキの祈り」「砂の丘を越えて」など、またトロンボーンとピアノのための作品として、ミシェル・ベッケ氏のソロアルバムにも収録されている「幻想五木の子守唄」をはじめ、ソナタ「風花賛礼」「夜の静寂に」「春の呼ぶ声を聞く」などがある。合唱曲としては、落語を主題にした「時そば」(混声合唱)、女声合唱組曲「京都の恋(詩:黛まどか)」「花だより(詩:高橋うらら)」など。ピアノ曲としては「ピアノ発表会物語」がピティナ・ミュッセ(インターネット上の楽譜配信サービス)にて好評配信中。
1998年に広島で行われた国民体育大会では、開会式・閉会式のファンファーレを作曲。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員。
※高嶋の「高」は、はしごだかが正式です。システム上表示ができないため代用しております。
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