令和元年に発生した台風19号により大きな被害を受けた宮城県丸森町を当時に訪れた際に感じたものを曲の原形としている。幾度となく出てくるメロディ(サビ)は、この時に目にした景色や水の色が必ずやもとの色に戻る事を…必ずや瑠璃色になる事を…願い・祈りながら作った為。
2020年和太鼓Atoa.舞台公演「TRANCEST」の中の1曲を和太鼓と西洋楽器の編成へとアレンジした作品。
篠笛がピッコロ、アコースティックギターや打ち込みシンセサイザーがヴァイオリン・ピアノへ、歌声はチェロ…と、オリジナル作品を違う視点から捉えまたひと味違った魅力を持ち羽ばたかせたかのような仕上がりになりました。(ぜひオリジナル作品も聴いていただきたい。)
演奏ポイントは、やはり、繰り返して出てくるメロディ(サビ)を全体を通して、どのように持っていくか?(どこに山を作るか)を意識してみてください。
6/8のリズムがまったりしすぎないように。
42小節目のパターンは和太鼓との調和、リズムの端切れよさを出してください。
123小節目は98小節目よりも、さらに躍動感を持って。ad lib.にしてあるので大いにメロディで遊んでください。(ピッコロはお囃子をイメージすると演奏しやすいかと思います)
イントロ・アウトロのピッコロの入りは"間"の取り方を大事に。前後のテンポ感にとらわれすぎず演奏してください。(西洋楽器をあえて日本的な息づかいで演奏してみる事で、新たなフレーズやニュアンスが出るようになる事もこの曲の良い所かと思っています。)
日本の伝統芸能である和太鼓と西洋音楽の融合は、まだまだ可能性が広がり今後も試行錯誤していく試練さえも感じるほどに和太鼓を支えるメロディとハーモニーの演奏楽器のセレクトが色彩感を大きく左右しそしてリズムを担当する和太鼓が演奏楽器のセレクトによって無限に表現の可能性を見出していくものだと確信しています。今回の編成で楽器指定はしておりますが上記の理由からぜひ色々な編成での試行錯誤を共にしていただけると嬉しいです。
2004 年に【鼓童】に入団。2011 年まで正式メンバーとして、活動。東日本大震災直後に【鼓童】を退団し、地元仙台に戻り【Atoa.】を結成。8 月には、重要無形文化財保持者 津村禮次郎氏との共演を果たす。
能楽演目からヒントを得た新しい和太鼓のコンサートの世界を造りあげるなど、舞台演出面でも数多くの作品を手掛けている。2017 年には、GINZASIX 観世能楽堂にて、小尻健太・酒井はならダンサーともコラボレーションを展開し、演奏隊としても参加。2020 年には舞台【TRANCEST】を演出統括で発表。作品は、文化庁・宮城県多賀城市の採択事業としても扱われ、新しい生活様式に見合った舞台演出構成としても認められている作品となっている。
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