第二次世界大戦中に兵役に招集された画家(前田三千雄)が赴いた戦地 <フィリピン> から、妻(絹子)へ宛てた絵手紙の画集(前田美千雄追悼画文集「戦場から妻への絵手紙」[ アートルピナス/講談社])に出会ったのをきっかけにこの曲ができました。絵手紙にある手紙の文と、画集に載せられている絹子さんが書いた三千雄さんとの思い出などの文に、曲を付けさせていただきました。画集に載せられている順序(時間系列)そのままに曲を構成しています。
戦争を扱った作品と言うと重苦しくなってしまう印象が強いですが、この画集にある手紙の内容は、本国に残してきた妻に「戦地でも元気にしてるから安心して」という内容で、明るく朗らかな手紙の文章と色鮮やかに描かれている花や風景は、明るさとは裏腹に胸を締め付けられるような、心を打つ内容です。
終戦後、大切に肌身離さずに絵手紙を保管していた戦後、現在の姿の絹子さんと、兵役当時の若いまま戦地で志半ばで命を落とした三千雄さんが、音楽で時空を越えて結び合っているイメージで作らせていただきました。
2001 年にソプラノ、テノールとピアノによる初演があり、絵手紙の展示展で何度か再演をしました。絵手紙が美術館に収められるのを期にしばらく再演はありませんでしたが、2016年に藤村女子高校の都賀先生のご依頼で小編成の吹奏楽版に編み直しました。この大編成版は、2018年にやまももシンフォニックバンドの定期演奏会のために再編したもので、当時の三千雄さんと絹子さんと同年代である今野絵里香さん(ソプラノ)、中村祐哉さん(テノール)の素晴らしい歌声と表現力で演奏して頂きました。そちらはDVD としても発売されていますのでお聴き頂ければ幸いです。(「交響曲ト調:福島弘和」ブレーン株式会社:BOCD-7636)
「戦争を知らない世代が生意気な事を」と印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、人口の割合的に戦争を知らない世代が増えた今だからこそ、もっと平和を大切にしなければならないと思います。音楽で何か伝えられる事があれば続けていきたい内容です。(福島弘和)
1 プロローグ
2 妻の便り(昭和19年3月4日)
3 あわがさき海岸(昭和19年3月11日)
4 影がうすいという言葉は(昭和19年3月14日)
5 フィリピンからの第1報(昭和19年5月)
6 こんなつらい時代だからこそ
7 今日来るか、明日来るか(昭和19年6月2日)
8 無事に帰ってきていたら
9 僕の楽しみは(昭和19年7月2日)
10 もし戦争がなかったら エピローグ
<初演>
2001.1.8
作曲集団「碧(あお)の会」演奏会
演奏:松崎寛子(Sop), 渥美直久(Ten), 湯田亜希(pf)
会場:彩の国さいたま芸術劇場(小ホール)
<吹奏楽版初演>
2016.3.24
ソリスト:宮下文香(sop.)麻山皓太(ten.)
演奏:藤村女子高等学校
指揮:都賀城太郎
会場:杉並公会堂大ホール
<吹奏楽大編成版初演>
2018.3.4
やまももシンフォニックバンド第5回定期演奏会
ソリスト:今野絵里香(sop.)中村祐哉(ten.)
演奏:やまももシンフォニックバンド
指揮:甘粕宏和
会場:杉並公会堂
東京音楽大学器楽科卒業、同大学研究科修了。オーボエを浜道晁、作曲を有馬礼子の各氏に師事する。
現在、オーケストラ、吹奏楽を中心に作曲活動をする。1998年「稲穂の波」、2000年「道祖神の詩」が全日本吹奏楽連盟の課題曲として採用。2019年には同連盟からの委嘱課題曲として行進曲「春」を作曲。1999年に朝日作曲賞(一般社団法人全日本吹奏楽連盟)、2007,’12.’13.’15.’19年に下谷奨励賞(公益社団法人日本吹奏楽指導者協会)、2010年に日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作・編曲部門)の各賞を受賞。2001年国民文化祭や、2008年全国高等学校総合文化祭の創作音楽を担当。
21世紀の吹奏楽“響宴”会員。尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。
主な作品:交響曲ト調、シンフォニエッタ、同第2番「祈りの鐘」、同第3番「響きの森」、ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶、
百年祭、協奏曲、語りと音楽の作品、など多数
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