戦争を扱った作品と言うと重苦しくなってしまう印象が強いですが、この画集にある手紙の内容は、本国に残してきた妻に「戦地でも元気にしてるから安心して」という内容で、明るく朗らかな手紙の文章と色鮮やかに描かれている花や風景は、明るさとは裏腹に胸を締め付けられるような、心を打つ内容です。
終戦後、大切に肌身離さずに絵手紙を保管していた戦後、現在の姿の絹子さんと、兵役当時の若いまま戦地で志半ばで命を落とした三千雄さんが、音楽で時空を越えて結び合っているイメージで作らせていただきました。
2001 年にソプラノ、テノールとピアノによる初演があり、絵手紙の展示展で何度か再演をしました。絵手紙が美術館に収められるのを期にしばらく再演はありませんでしたが、2016年に藤村女子高校の都賀先生のご依頼で小編成の吹奏楽版に編み直しました。この大編成版は、2018年にやまももシンフォニックバンドの定期演奏会のために再編したもので、当時の三千雄さんと絹子さんと同年代である今野絵里香さん(ソプラノ)、中村祐哉さん(テノール)の素晴らしい歌声と表現力で演奏して頂きました。そちらはDVD としても発売されていますのでお聴き頂ければ幸いです。(「交響曲ト調:福島弘和」ブレーン株式会社:BOCD-7636)
「戦争を知らない世代が生意気な事を」と印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、人口の割合的に戦争を知らない世代が増えた今だからこそ、もっと平和を大切にしなければならないと思います。音楽で何か伝えられる事があれば続けていきたい内容です。(福島弘和)
1 プロローグ
2 妻の便り(昭和19年3月4日)
3 あわがさき海岸(昭和19年3月11日)
4 影がうすいという言葉は(昭和19年3月14日)
5 フィリピンからの第1報(昭和19年5月)
6 こんなつらい時代だからこそ
7 今日来るか、明日来るか(昭和19年6月2日)
8 無事に帰ってきていたら
9 僕の楽しみは(昭和19年7月2日)
10 もし戦争がなかったら エピローグ
<初演>
2001.1.8
作曲集団「碧(あお)の会」演奏会
演奏:松崎寛子(Sop), 渥美直久(Ten), 湯田亜希(pf)
会場:彩の国さいたま芸術劇場(小ホール)
<吹奏楽版初演>
2016.3.24
ソリスト:宮下文香(sop.)麻山皓太(ten.)
演奏:藤村女子高等学校
指揮:都賀城太郎
会場:杉並公会堂大ホール
<吹奏楽大編成版初演>
2018.3.4
やまももシンフォニックバンド第5回定期演奏会
ソリスト:今野絵里香(sop.)中村祐哉(ten.)
演奏:やまももシンフォニックバンド
指揮:甘粕宏和
会場:杉並公会堂
東京音楽大学卒業。同大学研究科修了。
オーボエを浜道晁、作曲を有馬礼子の各氏に師事する。現在、吹奏楽やオーケストラなど作編曲活動をする。また、演奏にパフォーマンスやコメディーを加えたアンサンブルポアールで演奏活動をする。
1999年朝日作曲賞、2003年下谷作曲賞、2007,2012,2013年下谷奨励賞、2010年日本管打吹奏楽学会アカデミー賞作曲部門など受賞する。
2001年国民文化祭、2008年全国高校総合文化祭の創作音楽を手掛けている。
21世紀の吹奏楽「響宴」会員。主な作品:「ラッキードラゴン」「シンフォニエッタ祈りの鐘」ほか
For foreign customers,
You can now purchase from overseas via WorldShopping BIZ.
Study scores, ensembles, and CDs can be ordered directly from our website.
Rental sheet music and some other items are not covered by this cart system, so please contact us by email.
12vcxjle0y28
スタディスコア10冊以上で30%OFF
対象カテゴリ
30 % OFF
残発行枚数:75
下限金額:¥28,600
有効期間:2023/03/01 ~ 2024/12/31