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サン=サーンス(1835-1921)作曲「動物の謝肉祭」は、作曲者の円熟期にあたる51歳の時(1886年)の作品で、彼の作品の中でもっとも知られた曲ではないでしょうか。全14曲からなるこの組曲は、一曲一曲がまるで違った輝きを放つ宝石のように聴く人を楽しませてくれます。
1886年、ワーグナー派の評論家たちから非難をうけ、プラハとウィーン以外での演奏を禁止されていたサン=サーンスは、疲れた心を癒すため、オーストリアの小都市・クルディムで謝肉祭の週間を過ごすことにしました。友人のチェロ奏者・ルブークの家に滞在していたサン=サーンスは、ルブークが謝肉祭の最終日に催す演奏会のために作曲するよう強く望まれ、そこで作曲されたのが「動物の謝肉祭」です。自分を攻撃する批評家や世俗を皮肉ってやろうという気分のあふれた奇抜な組曲で、名曲や民謡をパロディーで用い、様々な動物がユーモラスに生き生きと描かれています。
この編曲は、埼玉県・朝霞市立朝霞第一中学校(顧問・外崎三吉先生)の委嘱で元々は木管打楽器8重奏用に編曲、今回の出版に際しフレキシブル編成用にリアレンジしました。フレキシブル6重奏+打楽器2重奏の合計8重奏でのアンサンブル編成が基本となりますが、管楽器の6人は違う楽器や人数を重ねて演奏することによって、またオプションの打楽器やピアノを加えることによって8重奏 小編成バンドの形態でも演奏できるよう編曲されています。(小野寺真)
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