ジャック・プレスは1903年にロシア南部のグルジア共和国に生まれた作曲家です。パリでナディア・ブーランジェ女史に作曲を学びます。
ちょっと話はそれますが、ブーランジェはこの時代に世界中にお弟子さんを持っています。コープランド、バーンスタインをはじめキースジャレット、クインシー・ジョンズ、ピアソラ・・・。1,000人ほどの門下生がいるようです。魅力的な人を沢山指導していますね。
さて、J.プレスは映画と関わりが深い人です。10代の頃に無声映画のピアノ伴奏をしていました。その後パリで自分のオーケストラを作って演奏旅行したりしますが、後にニューヨークで映画館の編集者、そしていよいよハリウッドに乗り出し映画音楽の作曲を始めます。
この曲は管弦楽のために書かれた交響組曲「Hasseneh(ハセナ)」、イスラエル語で「結婚」という意味の曲が原曲です。終楽章の「結婚の踊り」はHerbert N.Johonstonが吹奏楽に編曲しています。フレデリック・フェネル氏が日本に紹介してくださいました。
●演奏のアドバイス
イントロは1stのソロにしてみました。エキゾチックなメロディーは教会で神父さんが一人祈りを捧げるような気分で演奏してみてください。18小節目からの伴奏は主旋律の動きを感じ取って細かなダイナミクスを考えて演奏しましょう。
静けさは打ち破られ、一転してイスラエルのハバナギラという舞曲に似た激しい音楽のスタートです。AからBまでのリズムは後半にも出てきますが、アクセントを利用して生き生きと演奏しましょう。ただし、2小節ずつバラバラにならないように、音楽の流れを止めないように気をつけてください。Bからの3rdとバセットは怪しげな雰囲気を楽しんで主旋律に変化を与えましょう。強奏や弱奏のつなぎにより場面が細かく変化します。吹きすぎに注意して息もつかせない(演奏者は息も吸えない状態ですが)安定したテンポで表現に変化をつけましょう。Kのエスクラ見せ場です。頑張ってください。K’からはアーティキュレーションが変わりますが、タンギングがうまくいかない場合はKと同様で演奏してください。その場合は特にダイナミクス等の変化をつけ、1回目と2回目の差をはっきりさせましょう。Pから頭打ちと裏打ちのリズムになりますが、ダイナミクスの変化に合わせて八分音符の長さ、響かせ方に変化をつけると良いと思います。ギクシャクしないように注意しましょう。Sからの主旋律はフレーズを大きくとってクライマックスを作ってください。
この曲は平成14年度の第26回アンサンブルコンテストで世田谷学園のために七重奏で編曲したものを八重奏用に書き直したものです。平成27年度の第39回全日本アンサンブルコンテストで演奏しました。短調の5音音階のエキゾチックな感じがたまりません。クラリネットの機動性をフルに発揮できる曲です。楽しんで演奏してください。(かとうまさゆき)
新潟県立巻高等学校卒業。武蔵野音楽大学でトロンボーンを坂本辰則氏に師事し卒業。
1993年から2008年までオブロークラリネットアンサンブルの代表を務める。2009年1月にクアトロ・パッツァを加藤純子と共に立ち上げる。
世田谷学園、世田谷おぼっちゃまーずとオブローの為に多数アレンジをしている。
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