音楽学者による曲目解説・重要資料を再検討した楽譜・筆写譜のファクシミリ・詳細な校訂報告等、過去に存在した出版物を上回る内容となっています。
《無伴奏フルートのためのパルティ タ》(BWV 1013) に関しては、Low Brassで演奏可能な調へ移調されています。
バッハの《無伴奏チェロ組曲》(BWV 1007-1012)、《無伴奏フルートのためのパルティ タ》(BWV 1013)には自筆譜が残っていません。
現在出版されている様々な楽譜は全て、バッハの自筆譜を直接写譜したとされている筆写譜、それを更に写譜したもの等を参考に作られた楽譜です。細部まで研究された信頼出来る楽譜もありますが、その中には校訂者の恣意的な解釈が反映されているものもあります。
特に管楽器奏者用に作られた楽譜の中には、抜粋された上、曲順すら組み替えられているものまであり、楽曲を理解するのには適さないと思われる楽譜も存在します。
では、奏者はどの楽譜を選んでこれらの楽曲へのアプローチをするべきなのでしょうか。
それは、楽曲の成立過程や演奏様を理解した上で“バッハ以外の誰の意図も入っていないまっさらな楽譜”を使うことです。本書がバロック音楽への扉を開く手助けとなれば幸いです。
(外囿祥一郎)
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