曲は主に4つの場面で構成されています。
「April 9, 1865」南北戦争が終結したあと、夕日を見ながら何かを考えているリンカーン。そんな姿が思い浮かぶ哀愁漂うフルートのDuoから、木管群へとメロディが受け継がれ、金管も加わり壮大な前半部分を経たのち、「April 12, 1861」南北戦争を回想していきます。この戦争では、史上初めての近代的な機械技術が主戦力として投入されたとも言われており、速いテンポの中で、ハイハットが刻むリズムが緊張感を与え、南北戦争の情景を描いています。
そして、「November 19, 1863」タイトルのゲティスバーグの演説です。ゲティスバーグ演説は、272語1449字という約2分間の極めて短いスピーチであったにもかかわらず、リンカーンの演説の中では最も有名なものであり、また歴代大統領の演説の中でも常に第一に取り上げられるもので、独立宣言、合衆国憲法と並んで、アメリカ史に特別な位置を占める演説となっています。この日ゲティスバーグにはカメラマンもいましたが、マイクロフォンなどがない時代、リンカーンの演説が始まってもカメラマンはそれに気づかず、ようやく気づいて写真を撮ろうとした頃には、もう演説が終わっていたといいます。また演説そのものは、リンカーンが祈るような小さな声で述べたため、誰も注目しませんでしたが、その内容をたまたま書き留めていた記者が記事にしたことにより、後に有名になったと言われています。
曲の後半、最後の部分でmeno mossoになり「April 14, 1865」暗殺の日を表現し曲は幕を閉じます。(樽屋雅徳)
こちらの作品には、ほかに「Revised Edition」がございます。内容が異なりますので、お申込の際はご注意下さい。版違いによる返品交換は承りかねますので、お間違いのないようにお申込ください。
1978年千葉県銚子市生まれ。武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業。佐藤博、宮本良樹各氏に師事。
フランスで吹奏楽曲「Ardent Overture」を出版。代表作として「絵のない絵本」「民衆を導く自由の女神」「マゼランの未知なる大陸への挑戦」「ラザロの復活」「マードックからの最後の手紙」などがある。
全国の吹奏楽団やマーチングバンドからの委嘱も数多く、その作品の多くが国内外問わず広く演奏され、日本でもっとも人気のある作曲家のひとりである。また、作曲・編曲の傍ら、吹奏楽指導やコンクール等の審査員、執筆活動などでも多くの成果を挙げている。
2004年~2018年まで銚子市立銚子高等学校の音楽監督を務めマーチングコンテストで全国大会へ、吹奏楽コンクールでは東関東大会、東日本大会へと導く。
現在はベルモンテウィンドオーケストラの指揮者・音楽監督を務め、指導者としても高い評価を受けている。
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