後藤洋氏総監修の新たなトレーニング!
吹奏楽のサウンド・歌い方の基本的な練習として取り組まれている「コラール」。
後藤洋氏総監修の元、親しみのある世界の唱歌で旋律と和音の基礎が楽しく・徹底的に学べる曲集に仕上がりました!
現場に合わせたフレキシブル編成で書かれているため4重奏のアンサンブルから大編成のバンドまで多くの団体が使えます!
これまであまりなかった短調のコラールやゆったりとした6/8拍子のトレーニングなど、拍子・調整・テンポ等、バリエーション豊かな5作品!
後藤洋氏によるコラールの練習解説付き!
バンド全体が旋律の歌い方を身に着け、ハーモニーの構成が理解できる画期的なコラール集!
さて、吹奏楽になぜコラール、またはコラール風の作品が多いのでしょう? いくつか考えられる理由の中で最も重要なのは、吹奏楽が合唱と同様、アンサンブル全体のとけ合った響きをその最大の魅力とする形態だから、ということではないでしょうか。つまり、吹奏楽はコラール風の音楽が得意なのです。そして、コラール風の音楽をとけ合った響きで美しく演奏できることが、すぐれた吹奏楽団の証しなのです。言い換えれば、コラールへの取り組みを通じて美しい響きをつくることは、レベルの高い演奏を目指す上で必須ということになります。
実際、コラールではいくつかの声部が合わさって響きがつくられます。しかも、吹奏楽ではひとつの声部を複数の異なる楽器で重ねるのが一般的です。つまり、異なる楽器をとけ合わせてひとつの声部をつくり、さらにそれらがひとつの大きな合奏の響きとなるのです。そのためには、互いに聴き合い、役割を理解し合い、響きのイメージを共有することが大切になります。これこそ合奏の最も大切な基本と言ってよいでしょう。コラールが吹奏楽の基本的な練習の題材とされている理由が、ここにあります。
しかし、コラールは(そして吹奏楽も)美しい音を単純に並べて終わり、というわけではありません。コラールは音楽、しかも多声音楽です。それぞれの声部には異なる役割があり、時に異なるフレーズをもち、異なる音色やキャラクターも求められます。それらの関係によって、ハーモニーはより深く意味づけられ、より美しく響きます。この、各声部の関係の理解こそ、合奏による音楽表現の基本です。その理解によって、多くの種類の楽器によって奏でられる吹奏楽ならではの、立体的な音楽が出来上がるのです。
コラールは、バランスをとるため、音を合わせるためだけに取り組まれるものではありません。コラールは音楽の基本を勉強するための楽曲でもあるのです。(後藤洋)
■収録作品(編曲:後藤 洋)■
1. さくらさくら (b moll 4/4) 日本古謡
2. 野ばら (Es dur 6/8) 作曲:H.ヴェルナー
3. 荒城の月 (c moll 4/4) 作曲:瀧廉太郎
4. アニー・ローリー (B dur 4/4) 作曲:J.D.スコット
5. 朧月夜 (Es dur 3/4) 作曲:岡野貞一
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