静岡県の浜松での高校時代、あの頃は作曲の勉強をしていて、特にバッハの曲に惚れ込んでいた。バッハのコラールや、それに由来するコラール前奏曲やコラール幻想曲などを、よくピアノで弾いたものだった。それを通じて、私は、バッハの美しい音の構築を学んでいったのだった。その中で、音の扱い方や声部書法などバッハの素晴らしさが特に凝縮されているのが日本語で「おお、人よ、汝の罪の大いなるを嘆け(BWV622)」である。
ちょうどその頃、浜松の航空自衛隊中部音楽隊から委嘱を受けていたところだったので、このコラールを引用した作品「コラール幻想曲(Chorale Fantasia)」を作曲、2002年に初演された。
その14分ほどの作品を8分程度にしたのが、この作品である。単に短くしたのではなく、細部に手を入れて再構成した。このヴァージョンは、同じ静岡県の浜松市立高校吹奏楽部の委嘱。2013年に初演。
曲の冒頭は、このコラールのもう一つの編曲(BWV402)を引用、最後にBWV622を引用した。中間部はそのコラールに基づく自由な変奏。150小節からの変拍子の部分は、1979年に作曲した「第七の封印」に基づく。
最後のコラールの演奏に際しては、コラールの定旋律の装飾音の演奏方法について、別途示しておいた。参考にしてほしい。なお、209小節から213小節にかけてのバス・ドラムのクレシェンドは、吹奏楽全てを掻き消すような尋常ならざる音量で。最後の4小節ほどで、音楽の速度は愈々落ちる。もともとのコラールの歌詞には「キリストは長い間十字架にかけられた」とあるからである。(伊藤康英)
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