2025年、航空自衛隊創設70周年にあたり行進曲を作曲した。航空自衛隊は創設以来、日本の大空を舞台に活動を展開してきたが、現在は宇宙という新たな空への分野へも視野を広げ、今まさに新しい時代への扉が開かれている。
『誇虹』とは、作曲者による造語である。虹は7色からなる空のシンボルであるが、70周年という節目を虹に例えてみた。虹が出る前には必ず雨が降る。これまで、諸先輩方が苦難と苦労と工夫を重ね築き上げてきた歴史と伝統をこれからの世代の航空自衛隊の隊員一人一人が誇りに想い、美しい虹の出た新しい空への新たな1ページを開いていってほしいという願いを曲に込めた。
この曲は大きく前半と後半に分かれており、前半は幾多の苦難を乗り越えてきたこれまでの空への想い、そして後半はまだ見ぬ新しい空への想いを織っている。冒頭は、70周年の記念すべき祝賀を考え華やかな幕開けとなっている。
前半部分は、ブルーインパルスをはじめとする様々な航空機が自然豊かな祖国日本の空を飛び回る様子を描いており、また同時にそれを支える地上部隊の活躍、また日頃から心の支えとなっている隊員家族の温かな心配り、そして諸先輩方への敬意と感謝の気持ちを描いている。勇壮な打楽器群によるドラムマーチを挟み、後半部分はこれから立ち向かっていく宇宙というさらに大きな空をイメージして壮大な空を描いた。曲のエンディングの部分は再び冒頭のモティーフを展開し、航空自衛隊がこれまで築き上げた歴史の回顧と伝統の継承を胸に、これからの航空自衛隊の飛躍的な活動を祈念し曲を締め括っている。
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