この作品は、委嘱してくださった井上幸子氏がフラメンコを嗜んでおられること、そして私もまたその文化に片足突っ込んでいることで産まれることになりましたが、この曲ではスペイン語でAlma(魂) + sonido(音)でAlmason(音魂)という造語をタイトルに、”フラメンコ音楽”ではなく”フラメンコを表現する音楽”を目指しました。
フラメンコとは諸説ありますが、ロマが貧しさや苦しみを伝える手段として踊ったのが起源とされます。コンパスと呼ばれる円を描くような12拍子の中で人生憂い悲しみや喜びを表現しますが、なぜ悲しみから生まれたのに情熱的なのか。これほど力強く発展することになったのか。色々調べる中で目にした踊り子の言葉が目に留まりました。
『悲しみを飲み込むと涙になるけど、吐き出せばリズムになるから』
表現方法は違えど、演奏家・作曲家が音に込める想いと同じだと思いました。この曲でも悲しみ憂う場面と、それを振り切るようリズムを刻む場面を行き来しますので、バスクラリネットとピアノの音魂に乗せて吐き出していただければ幸いです。
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