《波を越えてはるかに》というタイトルには、60年という歴史を辿り、さらに未来へ向かって進もうとしているこの地区の吹奏楽活動への期待が、そして港町函館に横溢する、国際的な感覚と進取の精神への賛美がこめられています。
音楽は奏でる人と聴く人が互いに深く心を通わせ、それぞれの心の中に豊かな実りをもたらすものであるべきだ、という思いから、この曲は吹奏楽作品にありがちな華やかさではなく、心をこめて奏でられるような「歌」に満ちた作品に、また幅広い年代で吹奏楽を楽しむ人々が多い函館にふさわしく、子どもから大人まで親しめるような内容の作品にしようと考えました。
函館地区にはごく少人数で活動している団体が多い点を考慮し、大編成のバンドから少人数のグループまで演奏を楽しめるように、この作品では通常の編成の楽譜に加え、楽器を自由に組み合わせて少人数でも(また金管バンドでも)演奏できる楽譜(フレキシブル編成版)も作成しました。この録音はそのフレキシブル編成版を使用したもので、楽器の組み合わせはバンドにおまかせしています。幅広い層のたくさんの方々に演奏していただき、また聴いていただくことを期待しています。 (後藤 洋)
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