Fernweh吹奏楽オフ会様からの委嘱により、2024年12月から2025年1月にかけて作曲いたしました。
「Fernweh」とはドイツ語で「遠い場所への憧れ」を意味する言葉です。 吹奏楽のオフ会は全国各地で開催されており、遠方から参加される方も少なくありません。さまざまな場所で一期一会の音楽を楽しみたいという方々にとって、オフ会はまさに「娯楽」の場と言えるでしょう。それにちなんで、本作では「娯楽」をテーマに、18世紀に貴族の社交会や宴会のために数多く書かれた《嬉遊曲(ディヴェルティメント)》を選びました。代表的な作曲家としてはハイドンやモーツァルトが挙げられます。また、吹奏楽では比較的珍しい「古典派スタイル」と、優美で装飾豊かな《ロココ様式(別名:ギャラント様式)》を意識し、私なりに古典派の雰囲気を再現しております。
【第1楽章】 Allegro con brio/変ロ長調、4分の3拍子、ソナタ形式
古典派初期に多く見られるように、提示部および展開部が短めで小規模な楽曲となっています。
【第2楽章】 Poco adagio cantabile/変ホ長調、4分の4拍子
ハイドンの《弦楽四重奏曲 第77番(第62番)ハ長調「皇帝」第2楽章》を変奏主題として引用(編曲)しました。
この主題は元々オーストリア国歌『神よ、皇帝フランツを守り給え』として作曲されたものですが、現在はドイツ国歌の旋律として知られており、本作品の着想のきっかけとなりました。
【第3楽章】 Rondo Allegro/変ロ長調、4分の2拍子、ロンド形式(ABACA+コーダ)
【C】の部分では変ホ長調へ転調し、一時的にハ短調、ト短調を経て変ロ長調に戻ります。コーダでは徐々に盛り上がりを加え、華やかに曲を締めくくります。
本作品は小編成を前提とした作品ですので、Oboe、Bassoon、B♭ Clarinet 3パート、String Bassがなくても演奏可能です。演奏会はもちろん、コンクールでもご活用いただけます。
1993年神奈川県横浜市生まれ。日本工学院専門学校(蒲田キャンパス)サウンドクリエイターコース(作編曲)卒業。
第29回朝日作曲賞入選。マーチ「エイプリル・リーフ」が2019年度全日本吹奏楽コンクール課題曲として採用される。
現在、合唱曲、アンサンブル、スクールバンド向けの親しみやすい吹奏楽作品を提供している他、ソリストの伴奏やバックバンドのキーボーディストとしても活動を行っている。
【主な作品】Infinity ~限りなく広がる蒼空へ~、Espoir、ダンザ・ディ・アモーレ・エ・プレギエーラなど多数