外囿さんからのリクエストは「ディエス・イレを使った短いアンコール・ピース」というものでした。語呂でしょうか、「ディエス・イレ」と聞いて何故か反射的に浮かんだのは「アロハ・オエ」でした。そうなったら最後、もう、この両者を掛け合わせる、という思いつきだけが先行して、タイトルだけが決まってしまいました。性格も特徴も真逆な両者を、どちらにも似つかわしくないヴィルトゥオーゾ・ピースにする、というのがどれほど大変か、というのを、この後に思い知ることになったのですが…「ディエス・イレ」は言わずと知れたグレゴリオ聖歌の1つ、終末を歌った「怒りの日」です。この旋律はベルリオーズ「幻想交響曲」やラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」など多くの作曲家が引用していることでも有名です。一方の「アロハ・オエ」は19世紀に生きたハワイ王国の最後の王、リリウオカラニ女王によって作られたと伝えられる歌曲です。愛し合う少女と軍人との別れを歌った内容ですが、これは滅びゆくハワイ王国を嘆く女王の気持ちが込められている、との説もあります。また、このメロディは後にキリストの復活による平和の回帰を望む、という「クレド」と同内容の歌詞が付けられて讃美歌としても歌われている、と聞きました。歌詞の意味を離れて旋律素材として独立した価値を持った「ディエス・イレ」。終末の念が秘められ、讃美歌となった「アロハ・オエ」。たまたま語呂から浮かんだ2曲の間にささやかながら相関性があったのは、ちょっと不思議です。曲は、そんな背景を微塵も感じさせることなく進みます。そういえば、レクイエムで「ディエス・イレ」の次の曲は「奇しきラッパの響き」(Tuba mirum)でした。(中橋愛生)
1978年生。東京音楽大学作曲指揮専攻および同大学大学院を首席で修了。
2002年、第71回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽作品)第三位。2008年、第18回日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作・編曲部門)受賞。2009年および2010 年、日本吹奏楽指導者協会「下谷奨励賞」受賞。また、執筆活動やCD 等の企画構成への参加も多く、2008 年4 月よりNHK-FM「吹奏楽のひびき」パーソナリティも務めている。
これまでに作曲を吉田峰明、池辺晋一郎、西村朗の各氏に、指揮法を汐澤安彦氏に師事。また、2000年より6年間、湯浅譲二氏のゼミ生および助手として薫陶を受ける。現在、東京音楽大学・国立音楽大学各講師、日本管打・吹奏楽学会理事、21世紀の吹奏楽" 響宴" 会員。
For foreign customers,
You can now purchase from overseas via WorldShopping BIZ.
Study scores, ensembles, and CDs can be ordered directly from our website.
Rental sheet music and some other items are not covered by this cart system, so please contact us by email.
8x28k16x3y80
〈1月〉会員限定クーポン
対象カテゴリ
会員限定
¥1,000 OFF
残発行枚数:0
下限金額:¥5,500
有効期間:2025/01/01 ~ 2025/01/31
7swpfiq42pog
選曲応援!CD《80%OFF》クーポン
対象商品
80 % OFF
残発行枚数:91
下限金額:¥1,100
有効期間:2024/12/27 ~ 2025/03/31