平成25年度 JBA下谷奨励賞受賞作品
「Prelude and Fugue」、多くの作曲家が作品を残しています。これら対位法的な楽曲の各々の線が絡み合い、重なり合う様を、いつか吹奏楽で書いてみたいと思っていました。福井ブラスアカデミー35周年定期演奏会での委嘱のお話を頂き、重厚で柔らかいサウンドと、私が書こうと温めていた曲想がマッチしているのではないかと思い、この曲を書かせて頂きました。「Prelude」(約4分20秒)は、大きくABAで構成されています。金管とティンパニのオスティナートが特徴的なAに続き、BはAとは対照的に柔らかなフレーズを木管楽器が中心となって歌います。そして低音から徐々にAのモティーフが立ち昇り、やがて冒頭のAが再現されます。続く「Fugue」(約8分)は、三部構成になっています。第一部は、色合いを徐々に変えながら、主題が幾度と登場します。途中出てくるオーボエはプレリュードのBのモティーフを匂わします。第二部では、躍動感ある第二フーガが提示されます。その途中、プレリュードの冒頭のモティーフが遠くから聞こえてきます。第三部では、第一フーガと第二フーガが重なり再現します。そして最高潮の瞬間、それらに今まで遠くで聞こえていたプレリュードのモティーフが更に重なり、高揚の後コーダを迎え曲を終えます。(堀田庸元)
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