この作品は、2008年2月に第一回弘前音楽祭で初演された『交響的序曲“祝祭の時”-オーケストラのための-』の吹奏楽版として、オーケストラ版の初演後から編曲に着手、同年9月に脱稿しました。
2007年に音楽ネットワーク弘前より、第一回弘前音楽祭のために新作のご依頼をお受けした際に、オーケストラ版と共に広く作品の普及を企図するため吹奏楽版も併せて作曲を進めて欲しいとの要望があり、着想の段階から吹奏楽での機能を活かした作品として創作を始めています。
弘前と言えば、弘前ねぷたと岩木山が全国的にも有名ですが、この二つを音楽的素描として作曲しています。冒頭に岩木山を象徴するテーマをホルンとトランペットが奏で、華やかなファンファーレ部を構成し、続いて「ねぷた囃子」のリズムに乗ってお囃子のフレーズが木管楽器によって断片的にコラージュされます。この二つのテーマが自由に変奏・構成されクライマックスへと向います。
音楽祭のための作品と言うことで祝祭的な序曲の様式としていますが、コンサートのオープニングプログラムとして全国に普及されることを、作曲者として願ってやみません。(和田 薫)
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