『シャングリ・ラ』とは、桃源郷を意味するサンスクリット語で、中央アジアで語られる理想郷を指します。その様子は詩人・陶淵明の『桃花源記』に描かれており、この作品は、その物語に沿って作曲しています。
概容は、
武陵(湖南省)に漁業を営む男がいた(冒頭 A)。ある時道に迷い、舟で小川を下ると(B C)、突然桃林に辿り着く(D)。そこは、秦の乱を避けた者の子孫が世の変遷を知らずに、平和な生活を営む仙境だった(E)。男が世の中の事を話して聞かせると(F)、村人達は大そう驚き、篤い歓待を受ける(G)。彼らは皆それぞれ、男を自宅へ招きもてなした(H)。数日後、男はそろそろ帰らなくては、と暇乞いをする(I)。元来た道を帰る途中、所々に印を付けておいた(J)。故郷へ帰るなり郡の行政長官を訪ね、見て来た事を話す(K)。すると行政長官はすぐに人を送り、その場所を探そうとしたが、二度と見付けられなかった(L)。
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