新しい手法で、しかし誰にでも理解できる作品をたくさん残した大芸術家、パブロ・ピカソ(1881 1973)をたたえるファンファーレとマーチです。
2006年に、加藤直さんの台本による『樹の奇・危・嬉 ピカソくんとうたおう』という、合唱のためのシアターピースを作りました。ピカソや、その周辺の芸術家たち(ダリ、ロルカ、アポリネールなど)へのオマージュを老人と樹の対話を通して演じながら語りつつ、歌や音楽についてさまざまな角度から考えてみようという作品ですが、初演の直後に、そのテーマと音楽的な素材との両方を使って、さらに『ピカソくんをたたえて』というピアノ組曲も作りました。ウィンド・アンサンブルのための『ピカソくんのファンファーレとマーチ』は、そのピアノ組曲の第1曲目のファンファーレを拡大したものが原型となっています。
ちょうど世紀の変わり目とともに活動を開始したピカソの、古い因習やアカデミズムを打ち破って生み出された作品の数々には、新しい時代を切り開こうとする彼の意気込みと勝利を感じます。「ピカソくん」というタイトルは、大芸術家ピカソを崇めるだけではなく、親しく付き合いながら、その作品と生きざまの両方からたくさんのことを学びたい、という気持ちから来ています。
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