日本神話に登場する神様の船…それこそが、作品のタイトルでもある『鳥之石楠船神』(とりのいわくすふねのかみ)です。
2006年、小鼓、ピアノ、マリンバ、打楽器の4人編成で基となる作品を完成させました。書き終えるだけで満足していたもので初演される事も無く、私の家の棚に眠らせていたのですが、4年後、福岡県・芦屋町立芦屋中学校吹奏楽部から委嘱のお話しを頂き、この作品をサックスと打楽器の編成で改定する事にしました。新編成にした事で、テクニック的な面で難しい箇所も生じましたが、これまでにはなかった新しいサウンドが生まれ、とても面白い作品に変わったように思います。新感覚の混合アンサンブルを皆さんの手で、躍動に満ちた演奏を期待します。
冒頭の指定テンポは、あくまで目安とし自由な流れで演奏してみてください。ロングトーンなども曲の雰囲気に合わせ、長い息でたっぷりとやってみましょう。Bからはザッツをしっかりと合わせて、各パートとの絡みを楽しみながら曲を作っていくと良いと思います。Gからの中間部は、打楽器の奥深い低音の響きの中からアルトサックスのソロが入ります。緊張せずに豊かな響きで楽に演奏してください。Hは、鍵盤のコラールを基に、サックス群がアンクルンや鈴(持続のあるキラキラとした音など)を用いて響きを作ります。空間をうまく利用して視覚的効果も得られるよう工夫してみてください。
(片岡寛晶)
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