『ラ・ボエーム』は、ジャコモ・プッチーニの作曲した4幕オペラで、最もよく演奏されるイタリアオペラのひとつです。物語はアンリ・ミュルジェールの小説・戯曲『ボヘミアン生活の情景』(1849年)からとられました。台本はジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イッリカのコンビによるものです。プッチーニ自身の台本に対する注文が多く、完成が難航したものの、短編集の集積である原作の雰囲気をよく伝え、オペラ的な見せ場に富む出来映えとなりました。また登場人物、特にヒロインのミミはプッチーニ好みの役柄となりました。
物語はクリスマス・イブの夜、仲間と共に暮らす屋根裏で、詩人ロドルフォはお針子ミミと出逢い、二人は愛し合う仲になります。しかしミミは身体が弱く、それを心配したロドルフォは冷たく接し、別れようとしますが、その本心を知ったミミは自分から身を引きます。数ヶ月後、今にも死にそうなミミが訪れ、再会を喜ぶ二人でしたが、ミミは仲間たちとロドルフォの前で息を引き取ってしまいます。
この編曲には、「冷たい手を」「おや!ムゼッタだ!」「ガヴォットだ!メヌエットだ!」「私の名はミミ」を取り上げ、1曲にまとめてあります。演奏する場合、各場面を分けて考えるのではなく、1曲の曲として演奏してください。音色の美しさや歌心などの音楽的な面でもかなり勉強になる曲だと思います、是非、「音楽する」ということを実感しながら演奏してみてください。(樽屋雅徳)
1978年千葉県銚子市生まれ。武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業。佐藤博、宮本良樹各氏に師事。
フランスで吹奏楽曲「Ardent Overture」を出版。代表作として「絵のない絵本」「民衆を導く自由の女神」「マゼランの未知なる大陸への挑戦」「ラザロの復活」「マードックからの最後の手紙」などがある。
全国の吹奏楽団やマーチングバンドからの委嘱も数多く、その作品の多くが国内外問わず広く演奏され、日本でもっとも人気のある作曲家のひとりである。また、作曲・編曲の傍ら、吹奏楽指導やコンクール等の審査員、執筆活動などでも多くの成果を挙げている。
2004年 2018年まで銚子市立銚子高等学校の音楽監督を務めマーチングコンテストで全国大会へ、吹奏楽コンクールでは東関東大会、東日本大会へと導く。
現在はベルモンテウィンドオーケストラの指揮者・音楽監督を務め、指導者としても高い評価を受けている。
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