世の中は移り変わりが激しく、10年も経てば昔のことになってしまう状態、あるいは、歳月の流れを10年でひと区切りとして考えるときに「十年一昔」と言うことばを使う。これとちょっと似ている十年一日は、長い年月のあいだ何の変化もなく同じ状態であることの喩(たと)えである。
フィルハーモニック・ウインズ 大阪の《ええとこどり》はこれで3枚目。ライヴ録音や他社からリリースされたCDは多数あるが、自主制作企画であるこのシリーズは2年に一度、演奏活動の中間報告として世に問う重みのあるCDである。メンバーにとって、前回の録音からの日々は十年一昔ならぬ二年一昔であるか、はたまた二年一日か、どちらだったのであろうか。
Vol.2のブックレット巻頭言で、その出来映えの評価は聴取者に委ねる、とのことを私は書いた。Vol.3では、今度は他人ではなく、演奏者自身によって正当な評価を下すことを願ってやまない。より厳しく、甘えを排除した自己評価は、満点という解答のない芸術をたかめていく唯一の手がかりだと思うからだ。
マエストロ・木村吉宏は、演奏者たちを力ずくで引きまわすことはしない。棒と言葉で丁寧に音楽を説明していく。録音ディレクターとしてセッションに参加する私は、マエストロのもうひとつの耳となってモニターの前に座る。そして、指揮者の気持ちと演奏者の息づかいを全身で受けとめ、第一聴取者となる。こうした立場にいられることがまことに嬉しく、若い力の結束に大きな刺激を受けたレコーディングであったことを、私個人の感想として書き添えておきたい。
(森田一浩・作曲家)
大阪音楽大学(クラリネット専攻)卒業。クラリネットを中尾信二郎、大橋幸男、ルドルフ・イエッテルの各氏に師事。指揮は故朝比奈隆氏の薫陶を受ける。1962 年4 月大阪市音楽団入団以来、同楽団コンサートマスター、バイス・コンダクターを経て、1985 年4 月に同楽団団長に就任。
日本の数少ないプロの吹奏楽団の団長兼常任指揮者として、日本の吹奏楽の発展に努めてきた。この間、1971 年、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院国際セミナーに参加。吹奏楽オリジナル曲の本邦初演に力を注いでおり数多く行っている。また、管弦楽曲の吹奏楽編曲も手がけ数多く出版され、斯界の高い評価を受けている。尼崎市民芸術賞受賞。第39 回大阪市市民表彰「文化功労部門」受賞。現在、指揮者として全国で活躍中。元大阪市音楽団団長、広島ウインドオーケストラ音楽顧問、フィルハーモニック・ウインズ 大阪音楽監督。
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