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アストル・ピアソラ(Astor Piazzola, 1921-1992)は、世界で最も有名なタンゴの作曲家でありバンドネオン奏者であるといえるでしょう。ピアソラは幼少期をニューヨークで過ごした影響もあり、古典的なアルゼンチン・タンゴにクラシックやジャズの要素を融合させ、独自の音楽世界を創り上げました。「ブエノスアイレスの春」は「ブエノスアイレスの四季」と題された4曲からなる連作のうちの1曲で、1969年に作曲・初演されました。
このサクソフォーン・アンサンブル用の編曲は、山武市立松尾中学校吹奏楽部の委嘱により編曲したもので、2006年11月19日に同部サクソフォーン7重奏(S.Sax. 根本杏里、A.Sax.1 大村雪乃、A.Sax.2 鈴木亜裕美、T.Sax.1 花城涼子、T.Sax.2 小川弥生、B.Sax. 浅野有香、St.Bass 菱木美里)によって初演されました。
この編曲は、サクソフォーン6重奏だけで演奏できるように書かれていますが、オプションのコントラバス・パートを加えることにより、ベースラインの響きをより豊かに、またタンゴの雰囲気をより強く表出することができるでしょう。
演奏にあたっては、ピアソラの音楽世界をしっかりとイメージすることが大変重要といえましょう。曲中にしばしば出てくる半音の衝突は、バンドネオンの鋭い響きをイメージして、思い切り良く音をぶつけてください。
(黒川圭一)
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