キラキラ星をテーマとした変奏は、古今の多くの作曲家が試みてきたが、この小変奏曲は比較的モダンな和声をベースに、自由な性格変奏をほどこした作品である。1982年に書かれ、同年6月に開催された第3回日本クラリネット協会演奏会で、大橋幸夫、北爪利世、両氏他のメンバーによって初演された。
構成は、テーマと4つの変奏、そしてエピローグからなるが、冒頭のテーマ部分からすでに和声が変更されている。Var.Iはタンキングの統一に。 Var.IIは第1クラリネットのメロディー表現に留意すること。Var.IIIとVar.IVは、ともにリズムが重くなりがちである。2つのパートが3度音程で動くところは、音色を合わせ、正確な音程を心がけよう。
エピローグは、メロディーがモザイクのように、あちこちのパートにはめ込まれている。細かく動く音型の上に、テーマが浮き出るように演奏できたらすばらしい。
(森田一浩)
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