東京フルートクヮルテット委嘱作品。
フルートの息吹から連想される“風”をテーマにした親しみやすい作品をという作曲のご依頼頂きました。初演演奏家であり、武蔵野音楽大学の講師を務める高久進先生はプログラムノートに次のように記しています。
『ピッコロとアルトフルートを含む3つの楽章からなるフルート4重奏で、2楽章と3楽章はアタッカで繋がれて演奏される。美しく爽やかなメロディーと技巧的な伴奏が織りなす“風の組曲”ともいえる作品で、フルートの息吹から生成される“風”というイメージに合致した清々しく明るいサウンドが魅力である。統一感あるしっかりとした形式を持ち、特にフーガを含む変拍子で書かれた3楽章は非常にリズミカルで楽しめる。』
今後は幅広い層のフルーティストたちに親しんで頂けましたら幸いです。最後になりましたが、初演にあたり温かいご助言を頂きました、東京フルートクヮルテットの皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。(八木澤教司)
兵庫県西宮市在住。武蔵野音楽大学作曲学科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。吹奏楽やアンサンブルの代表作は日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、南米でも重要なレパートリーとなる。
2019年11月9日、天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」として、東京2020パラリンピック開会式の式典音楽として作品がそれぞれ抜擢された。その他、ヨーロッパで歴史的権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に作品が選定、ミステリー映画「ソロモンの偽証・後篇」では「輝きの海へ」が挿入曲として使用されるなど活動は多岐に亘る。これまで全国植樹祭、全国高等学校総合体育大会、国民体育大会の式典音楽制作を歴任。各種コンクール審査員、客演指揮、指導、講演、音楽雑誌執筆に加え、音楽出版社のプロジェクトアドバイザーなどを務める。
合唱曲として手がけた「あすという日が」は、希望の歌、東日本大震災復興シンボル曲と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川りみ、秋川雅史の両氏によって熱唱された。第21回日本管打・吹奏楽 アカデミー賞 作・編曲部門(2011年)受賞、平成23年度 JBA下谷奨励賞を受賞。
2020年度より関東から関西に拠点を移し、神戸女学院大学音楽学部で作曲・音楽理論・吹奏楽の指導にあたる。
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