★原曲は、「巴烏」(バーウー。中国の民族楽器)のための曲です。
フルート、クラリネット、ヴェノーヴァなど様々な楽器で演奏をお楽しみください(記譜は「in C」です)
2006年から2012年までの6年間、「LOHAS NOTES」(ロハス・ノーツ、旧「杉本緑地公園」)という演奏ユニットを組んで活動しておりました。私が主にクラリネット、リコーダー、巴烏を担当、相方の杉本徹氏がピアノと鍵盤ハーモニカを担当し、二人とも作曲出身だったのでオリジナルもアレンジも沢山書いて当時は日本各地でライブや学校公演などを開催しておりました。今作もこのユニットのために書き下ろした作品で、巴烏のために書いた最初の作品でもあります。
巴烏の説明を先にしなければいけません。中国語でバーウー(Bawu)と読みます。(よく「バウ」とも書かれています。)雲南地域の少数民族や隣接する東南アジア周辺に伝わる民族楽器で、木製の横笛ですがフルートとは違い、吹き口に銅板に三角の切れ込みを入れたリードが埋め込まれており、唄口を口で塞ぐようにして直接息でリードを振動させて音を鳴らす「横笛型のリード楽器」です。音域は西洋楽器に慣れている人からすれば驚くほど狭く、9度ほどしかありません。倍音を駆使すれば下に限定的に5度ほど下げることもできますが俊敏性は望めず、上の倍音列へのスムーズな切り替えも難しいです。(この曲の音域が広くないのはこのためです。)また、音量は高音にいくほど弱音で低音にいくほど強く、音量幅のコントロールにも限界があります。しかし、そのような音域や音量の不便を補って余りあるほどの郷愁的で魅力的な音色がこの楽器最大の特徴といえるでしょう。
この楽器を初めて知ったのは、2007年の旧正月に参加した台湾の音楽祭でした。そこで台湾の笛奏者の方が演奏していた巴烏を耳にしてすぐに惚れ込み、その奏者の巴烏を直接購入したのが始まりでした。同年夏にも別の音楽祭で台湾に1ヶ月ほど滞在、その舞台でこの巴烏で即興演奏をしていたのですが、その即興演奏を基に作曲したのがこの作品です。ですので、今作には台湾で感じた情緒とこの楽器への探究心や愛着がたっぷり入っています。
曲は、緩ー急の2部形式。民謡のような牧歌的な歌から巴烏のカデンツァ、後半は躍動的なアレグロの音楽です。実は巴烏は吸っても音が鳴ります!この吸音や最低倍音列を駆使して様々な効果音を出すことができ、原曲のイントロや曲の途中にも披露しています(菱形の音符)。他の楽器でも、是非トリルや息のノイズ、キーパーカッションなどで表現していただきたいです。また、カデンツァも各楽器の特性を活かしたオリジナルのカデンツァに是非トライされると楽しいかと思います。
この作品が生まれてからLOHAS NOTESでは全活動期を通じて一番人気で、解散後も人気が高く、これまでに様々なアンサンブル版や中国楽器オーケストラ版、和太鼓コラボ版などでも演奏してきました。巴烏ならずともいろんな楽器でみなさんに楽しんでいただければ幸いです。その際は、各楽器に合わせて適宜オクターブ変更して下さって構いません。
最後に、この曲の前半(民謡部分)には歌詞がついていますのでご紹介します。
雲は南に流れ 伝説の島に恵みの雨を
そこは世界中に佇む子どもたちが戯れる場所
(朴 守賢)
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