まずフランス国歌《ラ・マルセイエーズ》とおなじみ《きらきら星》がモチーフのイントロに続き、《フレール・ジャック》がカノン(輪唱)スタイルで奏でられます。この旋律は、日本で『かねがなる』『グーチョキパーでなにつくろう』、英語では『アー・ユー・スリーピング』など、世界各地でその地域の言語による歌詞で親しまれています。この部分は各パートに「任意の楽器のソロで」とあるので、音色のバランスやメンバーの個性を考えて楽器を選びましょう。普段活躍する機会の少ない楽器を目立たせるチャンスです。
《フレール・ジャック》が形を変えてもう一度演奏された後、《アヴィニョンの橋の上で》の旋律が、調性とオーケストレーションを変化させて繰り返されます。この歌は、アヴィニョンのローヌ川に架かるサン・ベネゼ橋が題材とされますが、現在は橋の大部分が流失してしまっているとか。軽快な部分と穏やかな部分の交替を表現できるよう、音色、音量、発音、音のスピード感が鮮明に切り替えられるといいですね。
[G]からは《アヴィニョンの橋の上で》の合間に《月の光》と《アマリリス》の愛らしい旋律が突然挿入されます。これがサプライズ。ここでも明快な切り替えがポイントです。《月の光》はサン=サーンスやドビュッシーも作品に引用していますが、吹奏楽ファンにはアッペルモントの《ブリュッセル・レクイエム》のモチーフとして知られているかもしれません。
《アヴィニョンの橋の上で》が一段落すると曲想は穏やかに。[I]からは再び任意のソロ楽器によるアンサンブルとなります。ここで現われる『星かげさやかに』は『一日の終わり』『もえろよもえろ』の邦題でも知られますが、いずれにせよ、ここは夜の場面ですね。そこで『月の光』を(先ほどよりゆっくりと)もう一度。そして〈きらきら星〉が続きますー本来は『ねぇ!いわせてお母さん』という歌詞で、星とは関係がないのですが……。
やがて遠くから聴こえてくる行進曲風の音楽は《だれかが口笛ふいた》。厳密にはこの曲は民謡ではなく、1871年にプランケットが作曲した後、ラウスキによって《サンブル・エ・ミューズ連隊行進曲》にアレンジされた旋律です。行進曲が盛り上がった後、フランス革命時のマルセイユ義勇兵の軍歌で、現在のフランス国歌《ラ・マルセイエーズ》の旋律が再び現われ、勇壮に曲が閉じられます。
編成はいわゆるフレックスで、全体は打楽器を含めた6パート。それぞれ指定された楽器を自由に選んで演奏できます。人数や編成に応じて楽器の組み合わせを工夫してみましょう。常に全部の楽器で演奏する必要はなく、人数に余裕のあるバンドは適宜楽器を減らしたり、木管のみ、金管のみの場面を設定したり、指定された以外にも特定の楽器のソロの場面を作るなどして、サウンドに変化をつけてみることをおすすめします。打楽器はドラム・セットを使ってひとりで演奏することもでき、オプションのグロッケンシュピールとシロフォンもひとりで掛け持ちが可能です。楽しく創意あふれる演奏になりますように!(後藤 洋)
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