編曲については、まず渡辺がオーケストラスコア(以下:オケスコ)より、交響曲2番のイメージを重んじながら演奏したい部分の抜粋(カットや ぎあわせ)を行い、次に管楽器では技術的に表現が困難であろう部分の楽器特定などを含めて楽曲全体の枠組み構成をいたしました。それらを全面的に受けていただき、平野氏の卓越した和声分析力やサウンド構成によってラフマニノフの魅力を損なうことなく作品の原形ができました。
その後も音の配置・楽器の組み合わせ等々について度重なる私の要望に応じていただき完成したのがこの作品です。
第2楽章の冒頭はオケスコ(BOOSEY&HAWKES版=頁数や練習番号はオケスコによる)のP136-下段(練習番号-36より16小節目)を開始部分と位置づけました。私にとってこの部分の確定が自由曲決定の決め手になりました。力強く渋いホルンと金管群によるaccelerando気味の音楽はP140-3小節目のTempo?で熱い盛り上がりをみせます。続いてラフマニノフらしさに満ちた音楽が展開されP148-3小節目に頂点を迎えます。その後P153のMenoMossoで3小節間のクラリネットSoloを入れ、第2楽章のエンディングとして締めくくりました。
第3楽章(P175 )の冒頭は、弦楽器の美しく印象的なメロディにハープを加えました。ハープは原曲にはないのでカットいただいても十分に成立します。オケスコではP176-2小節目からA管クラリネットのSoloになりますが、P202(練番-53)から同様のメロディが弦楽器群によって奏でられます。P176のA管Cl.のメロディとP202の弦楽器群によるメロディとを融合させ魅力溢れるコラール風の音楽としました。美的で繊細なドルチェによるレガートの音楽を創り上げるためにもオブリガート楽器やFl.Cl.Mrmb.Vib.による伴奏の3連符にもレガート奏を求めてください。そしてアゴーギクを「最重要」に演奏をまとめて欲しいと思います。エンディングはFL. CL. Br.Sax.のSolo、そして低音による「As音」の4分音符は温かく静かなイメージを大切にしてください。
第4楽章はコンクールの演奏時間の関係もあってP216 P272をカットしましたが、これは第3楽章からの自然な繋がりを考えた結果でもあります。P273のπのティンパニの3連符は「A音」から始まります。緊張感が漂うシンコペ ションによるメロディから、次第に説得力のある音楽へと発展し、強く勢いのある連符のあとは躍動感と楽しさの感じられる練習番号-76(P280 P296カット)から練習番号-81に繋いでいます。そして(P300 P316カット)練習番号-87の雄大な音楽によって幸福感に満ちあふれたP322の頂点を迎えます。最後は圧倒的なエネルギーと堂々たる終楽章の音楽としてエンディングを楽しん演奏してください。
クラシック音楽の素晴らしさを十分に実感いただける吹奏楽の編曲作品であると思っています。名曲に出会うこと、ディナーミクによる音楽の存在感に満たされること、アゴーギクによる音楽の魅力に出会うことなど、演奏者と指揮者が一体になれるよう創造いただければ嬉しく思います。
(渡辺秀之)
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