ミシェル・ベッケ氏が率いるパリ・トロンボーン四重奏団が1987年に初来日して以来、来日の度に作品を演奏していただくという幸運に恵まれました。「メモリーズ」はその最後の日本公演となった1997年『ファイナルコンサート』のために作曲した楽曲です。
全体は四つの部分によって構成されており、バラードでは短い序奏に続き主題が穏やかに流れ、続くタンゴでは一変して軽快な曲調に変化します。ゆったりと流れる旋律を持つレクイエムは、ハラヤミュージックエンタープライズの故・原谷晴夫氏に捧げた曲。レクイエム(鎮魂歌)ではありますが、それは悲しみの音楽ではなく「パリトロとの出会い」をもたらしてくれた原谷氏に対する感謝の気持ちから生まれた音楽なのです。そしてバス・トロンボーンの豊かな音色からはじまるフィナーレでは堂々と四重奏が奏でられ、Codaへと続きしめくくられます。
「メモリーズ」には、パリ・トロンボーン四重奏団との思い出の数々と、それら全てに関ってくださった人々との貴重な出来事への様々な思いがこめられているのです。(高嶋圭子)
香川県高松市生まれ。広島市出身。
4歳からピアノを始め、中学高校時代では部活動で合唱に熱中。高校二年より和声学・作曲理論を学び始め1982年東京藝術大学音楽学部作曲科へ。卒業後の1987年、パリ・トロンボーン四重奏団初来日の際にアンコールピースとして「夕やけこやけ」「わらべうた」を提供して以来、トロンボーンに関わる作品が多い。
トロンボーン四重奏のための「パスピエ」「メモリーズ」「スクエアダンス」「古都三景」「出逢いは、はじまり」「ふるさとのうた」「四季の詩」「ハナミズキの祈り」「砂の丘を越えて」など、またトロンボーンとピアノのための作品として、ミシェル・ベッケ氏のソロアルバムにも収録されている「幻想五木の子守唄」をはじめ、ソナタ「風花賛礼」「夜の静寂に」「春の呼ぶ声を聞く」などがある。合唱曲としては、落語を主題にした「時そば」(混声合唱)、女声合唱組曲「京都の恋(詩:黛まどか)」「花だより(詩:高橋うらら)」など。ピアノ曲としては「ピアノ発表会物語」がピティナ・ミュッセ(インターネット上の楽譜配信サービス)にて好評配信中。
1998年に広島で行われた国民体育大会では、開会式・閉会式のファンファーレを作曲。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員。
※高嶋の「高」は、はしごだかが正式です。システム上表示ができないため代用しております。
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