この「白虎繚乱」は、会津藩を守るため果敢に戦った白虎隊や会津藩士の誇り高き武士の精神を称えるため書いたものです。
曲は、哀愁を感じさせるメロディから始まり、鼓動のようなリズムや力強いメロディが特徴的なAllegro部分、聴く者に勇気や感動を与える中間部、そして、白虎隊の戦友たちとの絆を表現するために、旋律や和音の変化、楽器の組み合わせなどを工夫した終結部へと進みます。
副題とした「なれし御城に 残す月影」とは、戊辰戦争で自ら銃を持って戦った山本八重(新島八重)が開城前夜に詠んだ句の一部で、慣れ親しんだお城を去らねばならぬことへの無念を詠っています。
白虎隊とは、幕末期の会津藩のなかから、数え16 17才の武家の子息を集めて組織された少年部隊のことを指します。
代々徳川家に忠義を尽くしてきた会津藩の藩主、松平容保は、幕末の動乱の最中で治安が悪化した京を取り締まるよう幕府より説得され、京都守護職として京へ送られることとなります。
有名な新選組などを配下に加え逆賊である攘夷派志士を摘発していきましたが、攘夷派の勢いを止めることはできず、慶応3年に大政が奉還されると王政復古の大号令が発せられ新政府が樹立してしまいました。
幕府が完全に廃止されたことに不満を抱いた旧幕府軍が再び蜂起するも、鳥羽・伏見の戦いに惨敗。とうとう江戸城が無血開城され、徳川慶喜は新政府に降伏。
藩を守るため、徳川家に倣って新政府に従う意思を見せた松平容保でしたが、京都での厳しい取り締まりで薩長から恨みを買っていたため受け入れられず、新政府軍によって討伐の対象とされてしまいます。
新政府から討伐の命を受けた仙台藩・庄内藩はそれを拒否。奥羽越列藩同盟を結んで新政府軍と徹底抗戦への決意を固め、戊辰戦争が勃発。
新政府軍から会津攻めの大軍が差し向けられることは避けられないと覚悟した松平は、軍制改革を行って年齢別に分けた四つの部隊を編成。そのなかで最も幼い少年部隊が白虎隊でした。
当初は留守を預かる後備えの予備軍として主に城下の警護を行っていましたが、戦況が逼迫するなかでついに白虎隊二番隊の40名の少年たちに出陣命令が下ります。
しかし、圧倒的な数で総攻撃をしかける新政府軍に抗えるはずもなく、負傷した身を助け合い、空腹に耐えながらも何とか飯盛山へと逃げ延びたのはたったの20名。飯盛山から少年たちが目にしたのは炎に包まれた会津若松城。ついに落城かと思い込んだ少年たちは会津藩への忠誠心と武士道精神を示すため集団自決、19名が死亡してしまいます。
ただひとり一命をとりとめた飯沼貞吉の語るところによりこの白虎隊二番隊の悲劇の顛末が伝えられたというわけです。
その後も戦いを続けた会津藩でしたが、1ヶ月にわたる籠城戦ののちとうとう降伏。城に残った白虎隊のほか、会津藩の武士や婦女子たちの一部は自刃し、一部は捕らえられ処刑されるなど、壮絶な末路を辿りました。
最後まで忠誠を誓った君主と愛する郷土を命がけで守ろうとした少年たちの勇敢さや忠義心は、会津若松の人々のみならず日本人の琴線に触れ、多くの作曲家やミュージシャンによっても表現されてきました。
白虎隊の物語を讃えるだけでなく、歴史の一部として今も語り継がれる会津の武士たち正義と誇り、犠牲へ思いを馳せながら演奏していただければと思います。(樽屋雅徳)
1978年千葉県銚子市生まれ。武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業。佐藤博、宮本良樹各氏に師事。
フランスで吹奏楽曲「Ardent Overture」を出版。代表作として「絵のない絵本」「民衆を導く自由の女神」「マゼランの未知なる大陸への挑戦」「ラザロの復活」「マードックからの最後の手紙」などがある。
全国の吹奏楽団やマーチングバンドからの委嘱も数多く、その作品の多くが国内外問わず広く演奏され、日本でもっとも人気のある作曲家のひとりである。また、作曲・編曲の傍ら、吹奏楽指導やコンクール等の審査員、執筆活動などでも多くの成果を挙げている。
2004年~2018年まで銚子市立銚子高等学校の音楽監督を務めマーチングコンテストで全国大会へ、吹奏楽コンクールでは東関東大会、東日本大会へと導く。
現在はベルモンテウィンドオーケストラの指揮者・音楽監督を務め、指導者としても高い評価を受けている。
A commentary on the history of the Byakkotai is omitted here.
“ByakkoRyoran” opens with a melancholic melody before moving on to an Allegro section marked by a pulselike rhythm and a stirring melody. It then leads into a middle section that evokes courage and emotions in the listener before the piece’s conclusion that utilizes melodic and harmonic changes and a combination of instruments to depict the bond between the samurai of the Byakkotai and their comradesinarms.
The piece is a tribute not only to the stories of the Byakkotai but also to their courage and sacrifice that have become a vital part of history.
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