オーケストラ作品の中で最も美しい音楽の一つに数えられるものに「ダフニスとクロエ」があげられます。この繊細な作品を吹奏楽で演奏したのを初めて聴いたのは、1976年の全日本吹奏楽コンクール(神奈川県民ホール)での出雲市立第一中学校による歴史的名演奏であり、今でも強く印象に残っています。しかし、冒頭の木管楽器の12連音符などを始め演奏難易度が極めて高いことや、大規模な楽器編成の作品であることなどにより、演奏できるのはごく一部の団体に限られていました。
しかしその後、演奏技術の向上に加えて吹奏楽コンクールでの編成人数が変更されたこと、また徐々に特殊管と呼ばれる楽器も普及し、この作品を演奏できる条件が整っていきました。そこでそのような変化を受けて、まず50人程度の編成で演奏できることを念頭に「夜明け」と「全員の踊り」を編曲し、これは2001年に埼玉県立与野高等学校吹奏楽部により第49回全日本吹奏楽コンクールにて演奏されました。その後、埼玉県立大宮高等学校吹奏楽部や名取交響吹奏楽団などによる演奏を通じて改訂が続けられ、「パントマイム」を含む全曲版の完成となりました。
編曲では上述のよう50人程度で演奏可能なように特殊管は持ち替えとし、打楽器は原曲の一部を割愛してあります。また重要な役割を担っている合唱パートについては、いくつかの管楽器に担当させています。したがいまして演奏に際してはオーケストラスコアを参照いただき、それぞれの団体の実情に合わせて適宜変更をしていただきたいと思います。(齋藤淳)
吹奏楽の指揮、指導者として全国に知られている。また、吹奏楽曲の編曲者としても活躍しており、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」をはじめとしたR.シュトラウスの作品シリーズや、O.レスピーギの交響詩「ローマの噴水」などは多くの吹奏楽団によって演奏されている。2000年には、東邦音楽大学からの委嘱により、同大学ウィンドオーケストラのために加古隆氏による作品の吹奏楽編曲を手がけて好評を博した。
2005年には、西関東吹奏楽連盟より表彰されるとともに、川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団を指揮して記念演奏を行った。また、2009年に行われた埼玉県吹奏楽連盟50周年記念式典でも優秀指揮者賞を受賞している。
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