作曲の直前に義母が亡くなり、図らずもこの曲は「レクイエム」のような作品になった。また、その数年前に林望氏より「鎮魂十二頌」という12編の詩集を受け取っており、第1曲「時の逝く」を無伴奏合唱曲に作ってあった。それを曲の最後に引用、混声合唱を伴う4部からなる作品となった。(合唱は、吹奏楽のメンバーが歌うことができるし、別に用意しても良い。また、アルト独唱を伴っている)。それぞれ「ラメント(Lamento)」「行進曲(Marcia)」「怒りの日(Dies Irae)」「時の逝く(As Time Is Passing On)」と題されている。
初演の指揮者である佐川氏を泣かせるような音楽を、と依頼され、佐川氏はワーグナーがお好きとのことで、少しワーグナー的な趣を持たせたところもある。
第1部「ラメント(Lamento)」は、合唱曲「時の逝く」に引き続く音楽として開始する。途中に「時の逝く」と歌われるコラールふうの動機が象徴的に現れる。
第2部「行進曲」は、「時の逝く」の動機による音楽。リストの交響詩「前奏曲」の標題を思わせる音楽。
続く第3部「怒りの日(Dies Irae)」は、典礼文「怒りの日」の歌詞を一節だけ歌わせることによって開始する。が、この部分はすべて「怒りの日」の8節からなるラテン語の歌詞をすべてメロディーに乗せ、合唱で歌うことができる。
第4部「時の逝く」。混声四部合唱で歌われる。(この部分は、歌を入れずに吹奏楽のみでも演奏できるし、オルガンを加えることも可能)。この合唱に続けて、嬰ハ長調の主和音が最弱奏で鳴り響く中、「requiem aeternam(永遠の安息を)」と歌われて全曲の幕となるが、それは同時に、この曲の冒頭も示唆する。始めもなく終わりもない循環する音楽といえるかもしれない。
(伊藤康英)
For foreign customers,
You can now purchase from overseas via WorldShopping BIZ.
Study scores, ensembles, and CDs can be ordered directly from our website.
Rental sheet music and some other items are not covered by this cart system, so please contact us by email.
12vcxjle0y28
スタディスコア10冊以上で30%OFF
対象カテゴリ
30 % OFF
残発行枚数:75
下限金額:¥28,600
有効期間:2023/03/01 ~ 2024/12/31