「さくらのうた」のBからのメロディ、実は今から15年前に発想していたのです。しかも「さくらのはなさくころに...」と詞をつけていました。いつかこのフレーズを使って作品を...と思いながら、様々な分野の音楽(演劇・TVなど)を創作する間、実は「うた」になかなか注視できない...。つまり「うたがニガテ」だった期間が長くありました。しかし近年の器楽作品ではタイトルに(無意識的に)「うた」を付けています。最近の吹奏楽演奏を聞き、器楽曲だからこそ「うた」の心構えが最重要だと再認識したからでしょう。
わかりやすいメロディとわかりやすいハーモニー、そして吹奏楽の色彩豊かな響き。そして一見するとシンプルであるが演奏してみるとハードルの高いメロディとバランスが問われるハーモニーとオーケストレーション。ひとつとして同じ演奏を聞くことが出来ないスコアをつくろうと思ったのです。楽譜でプレイヤーを束ねず「プレイヤーに余地のある楽譜」を提供することが今回のテーマでした。
サクラを愛でながら思いを馳せるその心が、人によってまったく違うのと同じように、音楽のしなやかな変化を信じて、自分達だけの「さくらのうた」を演じていただけたら嬉しいです。たくさんのサクラが美しく咲き誇り、美しく舞い散りますように。 (出典・全日本吹奏楽連盟会報「すいそうがく」No.188 2011年12月)
… あれから時が経ち、コンサートレパートリーのひとつとして取り上げて頂ける機会が増えて参りましたが、より様々な編成に対応できるように改訂したのが今作品です。
数々のオプションキュー、solo/soliの選択、いくつかの和音構成を変更、Harp、Vibraphoneの追加など、細かな追加変更を施しております。実際この譜面で最低10名から対応可能となります。編成や演奏のカラーに合わせて適宜選択・工夫して演奏して頂けたら嬉しいです。
テンポにも幅広い選択肢があります。自然なアゴーギクを許容した上で、歌うのと同時に、6/8拍子が元来持つ舞曲的なリズム感覚も大事にして演奏してください。[I]前後のフェルマータは自由に解釈してください。編成やドラマ性に応じた時間の演出がカギとなります。全体的に、ソロ・セクション・テュッティの対比が立体的になることが望ましいです。
(福田洋介)
第22回朝日作曲賞受賞作品・2012年度全日本吹奏楽コンクール課題曲I
都立葛飾総合高等学校吹奏楽部により改訂版委嘱初演
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