この作品は元々パイプオルガンのために作曲したもので、現代作品をもっと身近に感じられるような曲を書きたいと思い、聞き馴染みのある旋律を用いて新しい音楽を構築しようと試みたのが、この「モーツァルトの主題によるパラフレーズ」である。
パラフレーズ(Paraphrase)とは、元々の文や一節を他の言葉で言い換えることを指すが、音楽においては元の作品を別のスタイルで表現することを意味している。この作品では幻想曲ハ短調K.V.475、ピアノソナタ第8番イ短調K.V.310、ピアノソナタ第11番イ長調K.V.331(トルコ行進曲付)、アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク、歌劇「魔笛」序曲、交響曲第41番ハ長調「ジュピター」、「レクイエム」よりラクリモーサなど、モーツァルトを代表する有名な曲のモティーフを、随所に散りばめている。
全体は大きく2つに分かれており、それぞれ全く異なるキャラクターを持っている。まず前半部は半音階を多く用いた重々しい響き、そして様々な声部が同時に現れるポリフォニックな音楽が特徴である。途中、各楽器が独奏的なフレーズを演奏し後半部に推移するが、それまでの音楽とは異なり、Allegroの生き生きとした明るい雰囲気のなかで様々なモティーフが登場する。モーツァルトの曲にはシリアスな音楽もあるが、やはり明るい雰囲気の音楽が多い。この作品も「モーツァルトらしさ」を最後に表現している。(松下倫士)
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