原曲は2管編成(トロンボーンは含まれない)のコンパクトなオーケストラのために書かれた作品で、作曲は父、祖父を音楽家に持つ、ロシアの作曲家、アナトーリ・コンスタンチノヴィチ・リャードフ(1855 1914)。
彼はリムスキー・コルサコフに作曲を学んだのち、1878年から母校、ぺテログラード音楽院の教授となる。生徒にはプロコフィエフ、ミャスコフスキーらロシアを代表する作曲家がいる。
作曲を始めた頃から民話に興味を持っていたが、ロシア帝室地理協会の委嘱により、バラキレフらと共にロシア各地の民謡を収集することになる。それを元に作曲されたのが、この「8つのロシア民謡」である。それぞれ「聖歌」「クリスマスの贈り物への挨拶」「愁いの歌」「道化歌(私は蚊と踊る)」「鳥の物語」「子守唄」「輪舞の歌」「村の踊り」というタイトルがつけられている。
ウィンドアンサンブルへの改編は原曲のニュアンスを極力活かすため30人前後(中学校小編成グレード3を意識した。)で演奏可能な編成とした。また、オーボエ、ファゴットがない場合も想定し、楽譜上はオプションとした。勿論入ることで演奏に色彩が出ることは言うまでもない。
出版は全曲版であるが、今回のレコーディングではコンクールでの使いやすさを考慮し、所謂コンクールカット版とした。また、唯一グレードの高い6楽章「子守唄」は割愛した。腕に覚えのある金管奏者がいれば挑戦して欲しい。(仲田守)
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