フォスターミュージックの依頼により制作されたこの作品は、音楽の基本である「4声体」「和音(カデンツ)」の基本を学ぶ教材を意図して作りました。吹奏楽作品には演奏効果に頼ったものや、イメージの羅列で構成力に欠けるもの、が多い中で、西洋音楽の基本を学んで欲しいという気持ちがあります。
また、4声があれば曲が成立するので、小編成用としてだけでなく、アンサンブル用としても使う事が出来ます。その際にどんな編成に編曲しても許諾は不要です。また曲中のいくつかのソロ的パッセージ(Picc.クラセクション等)も、他の全ての楽器に変更可能です。その意味で、バロック時代の楽器編成が指定されていない作品の伝統を乗っ取った形とも言えましょう。
今回は、作者不詳の「ディンディリン・ディンディリン」を含む、4つの旋律を用いました。クロード・ジェルヴェーズ「ブランル」はI,IIとありますが、元は別々の曲。各々短い旋律なので、1曲としてつなげて演奏出来るように構成しています。曲順等は演奏に応じて、自由に組む事が出来、繰り返しの使用も可能。「ブランル」Iを組曲の冒頭と最後に据える、ということも問題なく可能です。ジョスカン・デ・プレ「千々の悲しみ」は私の旧作「信長 ルネサンスの光芒」でも用いた旋律で、その一部分を取り出し再構成したものです。
また、今後少しづつ曲を増やし、曲集とする予定です。(鈴木英史)
1. ディリンディリン (作者不詳)
2. 千々の悲しみ (ジョスカン・デ・プレ)
3. ブランルI (クロード・ジェルヴェーズ)
4. ブランルII (クロード・ジェルヴェーズ)
1965年東京都生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。
安宅賞、第11回日本管打・吹奏楽アカデミー賞(作編曲部門)を受賞、外務省在外公館長表彰授与。国民体育大会(石川、山形、栃木)式典音楽、国民文化祭創作音楽(鳥取、秋田)、ねんりんぴっく(石川)式典音楽等を担当。シカゴミッドウエストクリニック、スリランカ交響楽団での新作初演、台湾国際音楽祭課題曲作曲、指揮客演など、海外の活躍も多い。
作編曲活動を中心に、指揮、CD企画、講習、審査、音楽誌への執筆など幅広く活躍。日本音楽著作権協会正会員、尚美ミュージックカレッジ専門学校特別講師、名古屋芸術大学特別客員教授。
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