「カムイの空」は2025年、フレキシブル5~8重奏作品(管楽器4~6パート/打楽器1~2パート)としてブレーン・ミュージックの委嘱で作曲されました。
この作品は、北海道を中心に数世紀にわたって独自の文化を築いてきたアイヌ民族をテーマに作曲されました。北は樺太、千島列島から南は本州北部まで、狩猟を主な生活の糧として周辺民族との交易で平和に暮らしてきたアイヌ民族の生活は、19世紀以降、明治政府の北海道開拓や同化政策などによって大きく変化しました。生活していた土地を奪われ、生業としていた狩猟も制限され、言葉や服装などもいわゆる本州の「日本人」と同様になることを求められました。
現代ではその特性が幅広く評価され、アイヌ文化を守ろうという意識が国内外で広がりましたが、厳しい苦難を乗り越え、力強く不屈の心で自分たちの文化を守ったアイヌの人々への敬意を込めて、この作品は作曲されました。(「カムイ」とはアイヌの言葉で「自然界のすべてのものに宿る心、その精神」といった意味で、アイヌの心を象徴する言葉として曲名に使用させて頂きました。)
少ない人数でも、いわゆる「小さな吹奏楽」の充実したサウンドが得られる作品で、アンサンブル・コンテストでの演奏はもちろん、少人数バンドによる吹奏楽コンクールでの演奏にも適しています。打楽器は最小1人から、人数が多い場合には楽器ごとに複数人で振り分けることができます。Part 7はサスペンデッド・シンバルを太鼓の前に置けば、同じスティックで2段同時に演奏することが可能です。(広瀬勇人)
東京生まれ。国際基督教大学高等学校を卒業後、東京ミュージック&メディアアーツ尚美を首席で卒業。その後アメリカのボストン音楽院作曲科で優秀賞を受賞し卒業し、ベルギーのレメンス音楽院大学院にて作曲をヤン・ヴァンデルローストに師事。同校の作曲科および指揮科を卒業し、修士号を取得。
日本現代音楽協会新人賞入選、ニューイングランド学生作曲コンクール第1位、21世紀の吹奏楽「響宴」入選。日本、ヨーロッパの核出版社より多くの作品が出版され、ドイツ、スイス、シンガポールの吹奏楽コンクールの課題曲に選出される。
作曲をヤン・ヴァンデルロースト、ピート・スウェルツ、アンディ・ヴォース、松平頼暁の各氏に師事。指揮者としても精力的に活動する他、吹奏楽コンクール、アンサンブル・コンテストの審査員、講習会講師、21世紀の吹奏楽「響宴」の選曲委員などを務める。
尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。著書「必ず役立つ 吹奏楽ハンドブック 小編成編」「吹奏楽のための 読譜とソルフェージュがわかる本」「吹奏楽部員のための 楽典がわかる本」(以上ヤマハ)、DVD「小編成バンドのための『サウンドバランス・メソッド』」「生徒だけで作り上げる アンサンブル」(以上ブレーン)、「指導者・奏者のためのアンサンブル指導」(ジャパンライム)。
「広瀬勇人オフィシャルHP」 http://www.hayatohirose.com/
3bkozx51b86c
〈7月〉会員限定クーポン(対象商品:フォスターミュージックの出版物)
対象カテゴリ
会員限定
¥1,000 OFF
残発行枚数:87
下限金額:¥5,500
有効期間:2025/07/01 ~ 2025/07/31