この作品の原曲は、私が准教授を務めている神戸女学院大学音楽学部の音楽表現専攻ミュージック・クリエィション(作曲)専修の研究試演会(2024)のために作曲したトランペット三重奏曲です。毎年のようにフレキシブルアンサンブルを作曲し出版してきた私は、いつしか高音楽器を中心とした少人数のフレキシブルを開発できないかと思うようになりました。その経緯もあり、今回はトランペット3重奏曲を軸として、他の楽器でも親しまれる効果的な楽想で作曲することを試みました。その結果として、このフレキシブル版が誕生しました。
タイトルは14世紀初頭に建設されたイタリアのパドヴァに位置する小さな教会『スクロヴェーニ礼拝堂』を意味します。私がヴェネツィアに取材旅行で滞在したときに訪れた思い出深い場所で、古代ローマの円形劇場の跡地に建てられた、シンプルなロマネスク・ゴシック様式の外観、内部の荘厳さと美しさは忘れられません。私自身が肌で感じた印象をエッセイ風に3つの短い楽章にまとめています。
インターネットなどでこの礼拝堂や歴史的背景を調べてイメージを膨らませ、個性豊かな演奏をしていただけることを楽しみにしています。(八木澤教司)
■ 初演メンバー(神戸女学院大学音楽学部)
Part 1(Trumpet)…福中 明(非常勤講師)
Part 2(Trumpet)…大川 紗季(学生)
Part 3(Trumpet)…美濃 一葉(学生)
兵庫県西宮市在住。武蔵野音楽大学作曲学科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。吹奏楽やアンサンブルの代表作は日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、南米でも重要なレパートリーとなる。
2019年11月9日、天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」として、東京2020パラリンピック開会式の式典音楽として作品がそれぞれ抜擢された。その他、ヨーロッパで歴史的権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に作品が選定、ミステリー映画「ソロモンの偽証・後篇」では「輝きの海へ」が挿入曲として使用されるなど活動は多岐に亘る。これまで全国植樹祭、全国高等学校総合体育大会、国民体育大会の式典音楽制作を歴任。各種コンクール審査員、客演指揮、指導、講演、音楽雑誌執筆に加え、音楽出版社のプロジェクトアドバイザーなどを務める。
合唱曲として手がけた「あすという日が」は、希望の歌、東日本大震災復興シンボル曲と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川りみ、秋川雅史の両氏によって熱唱された。第21回日本管打・吹奏楽 アカデミー賞 作・編曲部門(2011年)受賞、平成23年度 JBA下谷奨励賞を受賞。
2020年度より関東から関西に拠点を移し、神戸女学院大学音楽学部で作曲・音楽理論・吹奏楽の指導にあたる。
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