バルトークがヴァイオリン二重奏のために作曲した「44Duos for Two Violins (ヴァイオリンの為の44の二重奏曲)」はヴァイオリン教師からの依頼で奏法など色々な制約の中で作られた教育的な曲ですが、バルトークの東欧民族音楽研究が生かされ、西洋音楽とはまた違った味わいが大変魅力的でコンサートピースとしてもよく取り上げられる大変有名な曲集です。
フルート、クラリネット、サクソフォーン、民族打楽器の組み合わせは、2台のヴァイオリンよりまた更にそれぞれの楽器の音色を生かすことで東欧の音楽世界を楽しむ事が出来るでしょう。民謡や踊りの曲が元になっていますからメロディーパートはテンポの動きやフレーズの息づかいを工夫しましょう。打楽器の種類は必ずしも特定されませんので、「タンバリン」「ベンディール」「ボーラン」「ダラブッカ」など、民族的ないろいろな打楽器を試してみるとまた新しい魅力が発見出来るでしょう。
No.37 プレリュードとカノン(2’40)
「44Duos」のBook IVの冒頭を飾るこの曲は、前半にゆっくりで神秘的なプレリュードの響き、そして後半は落ち着きのあるテンポから次第に激しいリズムへと変化する舞曲風のカノンとなっています。このマジカル版では前半と後半の間に4小節の民族打楽器の間の手を入れ、より効果的な場面転換を図っています。
No.39 セルビアの踊り(0’50)
軽快なリズムとテンポのこの曲は16分音符のスピード感や、その掛け合いが魅力的です。ゆっくりから段々テンポを上げる練習をしてその軽快さを味わいましょう。[3]からのフルートはダブルタンギングで軽快な表情を作りましょう。
No.40 ワラキアの踊り(1’15)
冒頭の重厚なリズムに始まり、妖しく魅力的なメロディの踊りが各パートに繰り広げられます。冒頭のクラリネットとサクソフォーンは音量バランスに注意をしますが音をしっかりとぶつけて西洋音楽に無いエキゾチックな響きを味わいましょう。場面毎のメロディに違う楽器を配していますので、場面毎のテンポ感や主役の楽器の音色や表情を生かす工夫をすると効果的な演奏になると思います。
No.42 アラビアの踊り(1’20)
またしても軽快なリズムに始まりますが、これにアラビアの蛇遣いの笛のような旋律が加わるとまるでイスラム教のお祈りの様です。[4]からのフルートのFlutterやサクソフォーンのGrowl、[5]のダブルタンギングにも挑戦をして妖しい音楽をさらに盛り上げましょう。
No.44 トランシルヴァニアの踊り(2’00)
この曲集のラストを飾る不思議な旋律が魅力的な作品です。トランシルヴァニアの旋法や重音、リズムなど独特の雰囲気を感じてイメージを作って表現をしましょう。完全四度、五度、オクターブの響きの音程はとても重要です。
「マジカルサウンズ2/マジカルサウンズの愉快な悪戯」収録
1983年東京藝術大学を卒業。同年、同大学同声会新人演奏会に出演。
また、東京文化会館新人オーディションに合格。1982年アルモ・サクソフォーン・クァルテットを結成。全国でのコンサート活動に加え、サクソフォーン四重奏の編曲作品を精力的に制作。
1986年第21回民音室内楽コンクール(現東京国際音楽コンクール室内楽)に於いてサクソフォーンとして初めて第1位受賞。1999年スイス・ロマンド放送交響楽団の日本ツアーに参加。また、日本フィル、札響、兵庫PAC等、日本各地のオーケストラのサクソフォーン奏者としても活躍している。
これまでに、クァルテットやソロなど10数枚のCDをリリース。8人編成の吹奏楽アンサンブル「マジカル・サウンズ」や、在京オーケストラ11人の管楽器奏者による「アンサンブル・シュパース」など新しいスタイルのサウンド作りにも積極的に取り組んでいる。
1999年~2010年東京藝術大学講師。現在、日本大学藝術学部、尚美ミュージックカレッジ、ドルチェ東京ミュージックアカデミー講師。ビュッフェ・クランポン社専属アーチスト。
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