■作品の成立:
2005年、アメリカ、コロラド州のロッキーマウンテン高校からの委嘱で《地球》を作曲した。ちょうどその前に《火星のマーチ》《木星のファンタジー》という曲を書いてあったので、その3曲をまとめて《三部作》と題し、3曲を通して初演した。
時は過ぎ2024年、創価大学パイオニア吹奏楽団の委嘱により、この作品を改訂することとなり、題名も新たに《地球 -地上の平和-》とした。全体的にオーケストレーションを見直し、エンディングの部分に変更を加えた。
この《地球 -地上の平和-》を[Version B]とし、原曲(の改訂版)である《地球》を[Version A]とし、両ヴァージョンをここに収めた。
なお、これは偶然のことながら、この[Version A]の終止がオーボエの独奏のハ音に終わるため、そのまま続けて拙作《ピース、ピースと鳥たちは歌う》を演奏すると、見事な音楽の流れが構築され、両曲合わせて19分近くのものとなる。こんなスペクタクルな組み合わせでの演奏はいかがだろうか。
そうなると、初演当初に謳った「三部作」はどうなるのか。これら3曲は、おのおの独立した楽曲であるから、それはそれで構わない。
■プログラムノート:
機会があって《木星のファンタジー》《火星のマーチ》と、G.ホルストの管弦楽組曲《惑星》の各曲のモチーフをベースとした作品を書いたことがあった。そこで、今度は、いわば「贋作『惑星』」とでもいった組曲を作ってみようと思い立った。それにしてもホルストは、「地球」という曲を作っていない。そんな折、アメリカはコロラド州のロッキーマウンテン高校のケイシー・クロップ氏から吹奏楽作品の作曲の話を受け、この「地球」の作曲と相成った。これは、去る5月7日、私自身の指揮で初演。
それにしてもこのところの地球は、あまり穏やかではない。地上では戦争やテロが絶えないし、地面の下でも、大きな地震が相次いでいる。そこで「地上の平和」という言葉を思いついた。これをドイツ語で「Friede auf Erden」というのだが、これはフェルディナンド・マイヤーの詩によるシェーンベルク初期の、大変に美しい無伴奏合唱曲の題名だ。私の大好きな作品なのだが、この詩を用いて私もシンプルなメロディを1つ書き、そのメロディを展開させるという作品に仕上がった。
そして曲の最後には、「Agnus Dei」(神の子羊)という作曲者不詳の美しいメロディをオーボエが歌う。このよく知られたラテン語の歌詞は、「Dona nobis pacem」(我らに平和を与えたまえ)。したがってこの「地球」は、平和への祈り、とでもいった作品となった。(日本初演プログラム/伊藤康英)
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