と言うのも、この曲は筒井康隆先生の言葉が無ければ成立しないからです。作曲者はSF文学の良い読者ではありませんが、筒井先生のそれだけに留まらない広範囲の活動に対して常に敬意を払っていました。とくにそのジャズに対する洞察力の深さとご交遊の広さには瞠目するものがあります。まるで「ラップ」「バップ」そのものであるこの作品に接したとき、いつかこれを音楽作品として結実させたいと願っていました。それば、打楽器のための処女作(作曲者は男ですが)に当たる「イリアス」をお聞きになった打楽器界の大御所、岡田知之先生が、次の作品を書くきっかけを与えてくださったのです。
ただ、初演は詞の部分をプログラムに挟み込んだだけだったため、作曲者の真意は伝わりませんでした。出版に当たって、この作品は必ず演奏者が詞を発音する、それが聴衆に伝わることを条件とする──と銘記いたします。
ということは、詞のリズムを読むだけでも音楽作品になり得るということで、これは極めて教育的な作品だと言えるでしょう。どうやら打楽器の稽古とは、最初はリズムを喋ることから始めるらしいからです。すると、必ずしも打楽器奏者だけに限らず、全ての音楽家、ひいては俳優の訓練にも使え、他の表現方法も考えられることになります。ボディパーカッションや声のアンサンブルにも向いているのではないでしょうか。
打楽器での演奏は勿論のこと、多くの方に取り上げていただければ望外の幸せです。
(青島広志)
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