正多面体の内、正四面体をcubeと言うが、この曲では同じリズムモチーフをひとつのcubeに例えていて、毎回出る毎に、異なる大きさのcubeが異なる出現の仕方をする<所謂変奏>を施しつつ、ひとつの方向に向かって踊って進む、あるいは転回して光のベクトルが変化する、というシーンを想定して作曲された。
今回の編成はブラスバンドというより、木管・金管・打楽器の18人室内楽アンサンブルであり、所謂従来的なカテゴリーに属する楽曲を想定できなかった。しかしながら、サックスを含む木管とユーフォニウムを含む金管が対峙した役割を演じる事になり、打楽器はそのあいだを繋ぐだろうと最初から脳裡に漠然と浮かんでいた。構成的には、イントロダクション、テーマAの提示、テーマA確保と展開、緩やかなテーマB提示、テーマAの別の展開、テーマBの展開敷衍、そしてテーマAを使用したコーダ、といった極めて解りやすい。
テーマAは、ひとつの和音の塊によるモチーフであり、金管と木管と打楽器のコンビネーションによるフレーズであり、呼吸の合ったアンサンブル技術が要求される。このモチーフは、ジャズなどで使い古されたと言ってよいものだが、今回のアンサンブル編成では意外に鮮度を保つ。何回もこのモチーフが現れるが、二度と同じハーモニゼーションはしていない。当然トップノートがメロディーラインであり、ボトムノートがベースラインであるので、ヴォイシングの音量バランスに注意して演奏されるべきである。テーマBは叙情的な独白であい、トランペット中心の歌が聴かれる。微妙に光のベクトルが変化しながら動き回転する正多面体のようなイメージが浮き上がれば幸いであろう。
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