ハンガリーを代表する作曲家、ベーラ・バルトーク(1881‐1945)は、東欧圏の民謡の採取・分析においても大きな成果を残し、さらにはそれを自身の作品のなかに融合させていきました。ヴァイオリンの教育目的の作品として1931年に作曲された「2つのヴァイオリンのための44の二重奏曲」(BB104/Sz98)も、東欧の民俗音楽から広く旋律の素材が取られています。この「小組曲」(BB105/Sz113)は、「44の二重奏曲」から抜粋してピアノ独奏用の作品として編曲したもので、最初の1936年に5曲が、さらに1943年頃「ワラキア舞曲」が加えられ、6曲からなる組曲となりました。
どの楽章も、民謡を素材にしている作品ですので、同じフレーズが強弱や楽器の組み合わせ、伴奏の和音や音形などを変えて繰り返し出てきます。そのコントラストを意識することにより、表情豊かで魅力的な演奏に繋がっていくことでしょう。また、曲の雰囲気を知るためにも、オリジナルの演奏にはぜひ触れてみてください。直接の原曲であるピアノ曲のほか、ヴァイオリン二重奏も聴いてみて欲しいと思います。以下に、各楽章の「44の二重奏曲」での楽章番号を記しておきます。
第1楽章「ゆるやかな旋律」(28)、第2楽章「ワラキア舞曲」(32)、第3楽章「旋回舞曲」(38)、第4楽章「ピッツィカートのように」(43)、第5楽章「ウクライナの歌」(16)、第6楽章「バグパイプ吹き」(36)
また、この曲では、各曲の標題が版によって様々に異同が見られるのですが、今回の編曲では、バルトークの次男ペーテル・バルトークが設立した「バルトーク・レコーズ」により、2005年に刊行された楽譜に基づいて表記しています。また第6楽章のみ、演奏効果を考慮して、原曲の短二度上に移調して編曲しました。
この木管8重奏の編曲は、青梅市立泉中学校吹奏楽部の委嘱により2011年に編曲したもので、同年12月27日に開催された2011TAMAアンサンブルフェスタにおいて、同校木管8重奏(Fl. 柳桃花、EbCl. & Cl.1 岩澤奈津実、Cl.2 濱崎栞、Cl.3 多田千尋、B.Cl. 岩崎由佳、A.Sax. 若林茉耶、T.Sax. 奥富佳奈恵、B.Sax. 劔持愛梨)によって初演されました。 (黒川圭一)
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